涙腺
このごろ涙もろくなった。
歳のせいで涙腺が緩んだだけ…だとしても、
涙もろい自分は、キライじゃない。
青春時代は、ドラマを観るたび、
主人公が悲しみに耐えるシーンで、涙がこぼれた。
今では、
がんばってる主人公が愛に触れたとき、決壊する。
怒りや悲しみにふるえた時代(とき)を生き抜いた人々は、
心が、自然にまるくなっていく。
そして今度は、
真心と感謝に共鳴する時代(とき)を
手を取り合って生きていくようになる。
そうやってともに、
"愛"という本質に還る道をたどっていくのだ。
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私は若いころ、「問題ばかり起きる……なんとか解決しなければ……」とずっと歯を食いしばっていたような気がします。頭には「いい」「悪い」の判断しかなくて、問題にぶつかると「○○のせいだ」となげき、「○○が悪い」といきどおったものでした。
でも、人生経験を積むうちに、悪いと思った出来事が「そのお陰でこうなった」と福に転じることに数多く出合って、『万事塞翁が馬』とはこのことかと痛感! おかげで「いい」「悪い」で物事を判断しなくなり、運が悪いとなげくことも、問題ばかり起きると腐ることもなくなりました。
さらに「身に降りかかった問題はすべていいことに変換する!」という信念が芽生えると、そう思えば必ずそうなるということを実感。想像をはるかに超えて奇跡のような展開になったことも一度や二度ではありませんでした。
そうした体験を通してつくづく思ったのは、「こんなちっぽけな頭であれこれ考えて、思うようにしようなんて愚かなことだ」ということです。「問題だ、問題だ!」と騒ぎ立てる小心者の自分がいるだけで、だれの人生にも、最初から"問題"なんてないということを知ったのです。
そんな視点に立って、今私たちが向き合っているコロナウィルス蔓延という現状を見てみましょう。私はふと、こんなことを思いました。
もしかしたら10年後には、「人類はあの苦しい経験を活かして意識を変えました。生きる意味を考え直し、どんな世界にしたいかを思い描き、既存のルールを一新することができたのです」ってなるかもしれない。50年後に生まれた子どもたちが、「令和2年は、人類を大きく進歩させた変革期なんですよ」って習うようになるかもしれない、と。
今私たちに必要なのは、起きていることを正しく認識して対応する"知恵"です。みんな、情報をセレクトしながら身を守るためにできることをしているはず。ぜひその中に、身だけではなく"心"を守ること、"魂"を磨くことを加えていただきたいのです。
この状況を問題視することに終始せず、家にこもっている時間を活かしましょう。俯瞰して地球を眺めれば、地球上の排気ガスや騒音が一気に減って、自然界はいきいきしています。今あなたが考えるべきことはなんでしょうか? あなたにとって本当に大事なものはなんですか? それをどのくらい大切にできているでしょうか? これからなんのために生きたいですか?……そんなことにほんの少し思いをはせてみてください。