エッセイ

Vol.9

心は無人島がいいね!

Vol.9 心は無人島がいいね!

 自分の中にある“比較のタネ”を手放せば手放すほど、心は軽くなります。あなたは、年齢をはじめ、身長、体重、目の大きさ、足の長さ、学歴、職歴、資格、収入、子どもの成績など、数え上げればキリがない比較のタネを抱えて生きていませんか?

 私たちは競争社会で育ったために、たえず自分を他の人と照らし合わせて、自分の価値を推し量ったり、立ち位置を決めたりするようになってしまったんですね。結果、今こう感じるという“自分の感覚”ではなく、いつも“比較のタネ”をもとにして、物事を判断するようになりました。

 そのことに疑問も抱かず、心をすり減らして、「人と比較しても何もいいことはないな」と感じている人が大勢いるのではないでしょうか。では、そうして心が疲弊したとき、私たちは何をすると思いますか?

 心にエネルギーをチャージするため、「優越感」に浸ろうとします。自分のほうが有利な相手と比較して、優越感を味わうことでエネルギーをチャージする。そしてまた、別のところで劣等感に陥ってエネルギーを奪われる…といった悪循環を、無意識のうちにくり返しているのです。

 そんなのやめたい!人と比較しなければ自分のことがわからないなんておかしい!と気づいた人は、どうすれば自分で自分の価値を見極めて立ち位置を決められるのか、ということに心が向かいはじめます。それが意識の目覚めです。

 両手に抱えた“比較のタネ”をひとつ手放すたび、心は少し自由になって、自分の中心に戻れるようになっていきます。本来の自分の立ち位置です。あなたはそれを自覚したとき、もしかしたら笑い出すかもしれません。「なんだ、キョロキョロよそ見することなんてなかった。最初から中心にいたー!」って。

 自分自身に満足すると、まず人のこと(持ち物や立ち位置)に関心がなくなります。いい意味で、人のことが気にならなくなるんですね。人のことが気になるのは、比較して、優劣を競ってエネルギーの奪い合いをしているとき。

 そういうと、「人と比較しなければ自分の立ち位置がわからないのでは?」と思う人がいるかもしれませんが、心配無用です。比較のタネを手放した瞬間から、自分の立ち位置なんて考えなくなるから。「私は今ここにいる…それだけでいい」と思えるようになりますよ。

 そして、ただ、その人と合うか合わないか、一緒にいて楽しいか楽しくないか、お互いが自由に自分を表現できるかどうかというところに興味が行くでしょう。

 かといって、一気に比較心を手放そうとしなくたっていいんです。少しずつ、意図してやりましょう。自分ができないと思ってするとできません。意図するとは、自分の力を信じて「できる」と思ってすることです。

 私は「今自分が無人島にいたら、それは気になるか?」と自問自答しては比較のタネを手放していきました。「手放したら、どう感じる?」と尋ねるのも効果的。その都度、心が自由になっていくのを実感することでしょう。ぜひやってみてください。

ゆりりんのブログ『ありのまま、なるがまま』

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Last Updated: 2019/08/07