エッセイ

Vol.2

つまずいたっていいじゃない

Vol.2 つまずいたっていいじゃない

 今ね、「年明け早々、つまずいた」とか「全然ツキがない」と感じている人がいるかもしれません。でも大丈夫! 私たちの人生は、うまくいくために用意されているわけではないから。むしろ逆、つまずいたっていいんです。

 逆といっても、「うまくいかないのが当たり前、あきらめましょう」と言っているのではありませんよ。「うまくいかない体験は、うまくいく体験をするための布石」と言いたい。だから、深刻にならなければ大丈夫です。

 私たちは二極の世界≠ノ暮らしています。ようは明暗≠フはざ間で生きているから、触れたい真実や実感したい喜びを得るためには、最初に、真逆の体験をする必要があるんです。「満足感や安心感を味わいたいから、その前に不満や不安を味わう」というカラクリ。そうでないと人間は、幸せを「あぁ幸せ!」と実感できないのです。

 赤ちゃんのときからこの体験ははじまります。ほしいもの(おっぱいや安心感)を得る前に、ほしいものがない状況に置かれて「なんとかしてくれ〜!」と泣き叫びますよね。これは大人になっても同じ。幸せを感じられない状況に置かれて、泣き叫ぶ代わりに悩み苦しむんです。

 この世は、すべての物事に『二極の法則』が作用していることを知ってください。そうすれば、「悩み苦しむ時間を最小限にしよう」「振り子は戻るために揺れるんだ、深刻になるな」と考えるでしょう。また、感動や幸せの感覚もいずれ過ぎ去ることを理解して、今手元にある幸せを、今のうちに大切に味わおうと思うでしょう。

 私は、二極の法則を知って自分の気持ちを突き詰めていったとき、今自分が生かされていること、今家族がいて触れ合えること、今友だちと笑い合えること、今自分にできる仕事があること、といった今しかないもののありがたさ≠ノ改めて感動しました。

 そして、「人生は望んでも望まなくても、二極(明暗)のあいだを揺れながら織り成されていくならば、いっそ行ったり来たりを楽しもう」「暗に出遭ったときは、その体験をバネにして、勇気や冒険心を奮い立たせればいいじゃないか」と思ったんです。

 もしかしたら、人間の心は一カ所にとどまることができず、たえず移ろうところがおもしろいのかもしれません。「安定や安心がほしい」と強く求めたかと思えば、「退屈でつまらないから刺激がほしい」と思ったり……。「変わらないで」と願ったかと思えば、「私は変わりたい」と切望したり……。心自体が、二極の世界の表れなのでしょう。

 かといって、まったく揺れない世界がないわけではありません。それが『今ここ』です。来ては去る今、次の今、次の今……そんな今の連続が人生です。そのさなかで私たちは、「ああでもない、こうでもない」と過ぎたことにとらわれ、過去のデータを持ち出して未来を不安がります。

 つまずいたって、次の瞬間に現れた今≠ヘ平和なんです。ただ、記憶に心を支配されるだけです。そこに持っていかれたときが暗、ハッと気づいて抜け出したときが明。それだけの違いだけど、これが大きな違いなんですね。

ゆりりんのブログ『ありのまま、なるがまま』

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Last Updated: 2019/02/08