エッセイ

Vol.10

人のことが気に障るとき

Vol.10 人のことが気に障るとき

 職場や家庭に、あなたをイライラさせる人いませんか? あなたが忙しくしているのに全然助けてくれない人や、めちゃくちゃマイペースでムカつく人……。もしいたら、「私はその人のせいで作業に集中できない」と思うでしょうね。

 以前の私はそうでした。気に障る人がそばにいるだけで作業に集中できなくなって、「あの人のせいで気が散る」と思ったものです。しかし真実は違いました。気が散って仕方がない自分のほうに、イライラする原因はあったのです。

 私はよく「あの人が音を立てるせいで気が散る」とか「ゴロゴロされると気に入って腹が立つ」と思いましたが、そんなふうに人のことが気に障るときは、自分自身がその作業を楽しめていないときだったのです。

 ちょっと振り返って、自分がひとつのことを心の底から楽しんでやっていたときのことを思い出してみて。自然に集中力がみなぎって、他のことは眼中から消えていませんでしたか? もしかしたら、食べることも忘れて夢中になっていませんでしたか?

 たとえば、職場で隣の人がさっきからガサゴソ音を立てています。あなたはその音にイライラして、ついに手が止まってしまいました。じつは、それはあなたが心から仕事を楽しめていない証拠なんですね。楽しめていれば、人のことは気にならないものなのです。

 同様に、家事や作業をしているときに、まるで手伝おうとしない家族に腹が立ったとしたら、あなたが仕方なくイヤイヤやっていることが原因。もしもハッピーな気分でやっていたら、人の態度は気にならないでしょう。

 言葉を変えると、私たちは自分の世界を楽しむことに意識を傾けないと、どうしても人の世界に介入してあれこれ言いたくなってしまうんです。一緒に暮らす家族でも、それぞれが自分の世界を楽しめてゴキゲンでいたら、問題は起こりませんよ。

 自分の世界とは、自分の現実です。ひとりひとりが、自分の現実を自己責任で創っていると考えてください。人助けをしない世界を創っている人もいれば、私ばかり損していると不満タラタラの世界を創っている人もいます。あなたはどうですか?

 私たちは、自分が創った世界に見合った感情を“自分の感情”として味わいます。それを変えたかったら、人の態度を変えようとせず、自分の感情を変えようとせず、自分の意識が創り出す世界を変えればいいのです。

 中には、イヤでもやらなければいけないことや苦手なこともあるかもしれませんが、そんなときは、イヤイヤではなく、チャレンジを楽しむ、工夫することを楽しむ、淡々とやるなど、今よりもハッピーな気分でできるように知恵を絞りましょう。それを、自己責任と思って真剣に取り組むことが大切なのです。

 自分の意識が現実を創ることを信じて「楽しめる世界を創る」を実践していくと、人生から気に障ることがどんどん減っていきます。そして自分の意志ひとつで、いつでもイライラ世界からウキウキ世界に移行できるようになるでしょう。

ゆりりんのブログ『ありのまま、なるがまま』

エッセイバックナンバー


| ホーム | プロフィール | エッセイ | ねっとカウンセリング | ファンレター |
| Booksコーナー | 講演依頼 | お知らせコーナー | ボイス・レター |

Last Updated: 2018/10/09