エッセイ

Vol.05

根拠のない大丈夫

Vol.05 根拠のない大丈夫

 煙草・お酒を禁止して、食事は低塩分・低カロリーに切り替え、運動も毎日するように 心がけていた女性が、癌になり、「こんなことなら、好きなことをして好きなものを食べて、自由に生きればよかった…」と後悔したという話を聞きました。

 なんともやりきれませんね。私たちは、やりたいことを我慢してストレスいっぱいで生きるより、自由な心で楽しく生きるほうがはるかに幸せを実感できます。健康を維持するには、この幸せの実感が絶対必要なのです。

「心身」は一体です。「頭身」ではありません。もし、頭が健康のためにと禁止したことを心がものすごく嫌がれば、先の女性のように不本意な結果を招いてしまうかもしれません。健康でいたいと願うなら、まずは自分の心にどのようにありたいかを尋ねましょう。

 自分が無意識に自らに禁止していることで、心が嫌がっていることはないでしょうか。それを探すヒントは、それをサラッとやる人を見るとイラッとすること。たとえば、目立つ、甘える、人目をはばからず泣く、怒る、マイペースで好きなことをする、等々。

 何か思い当たることがありますか? そして、もっと自由に振る舞いたいと思うなら、「〜すべきではない」という概念から心を解放しましょう。生活習慣についても同じです。恐れて何かを禁止するのはやめて、改善したいことがあれば、楽しみながらできる範囲でやりましょう。

 幸せに生きていくために推奨したいことは、『根拠のない大丈夫』を心の住人にすることです。「根拠はなくても大丈夫!」と強く思う。そうだと信じる。すると、なんとなく大丈夫な気がしてくる(それが魂からのサイン)から。そこで自我が「違う、心配だ!」と騒ぎ立てても(不安をあおるのはエゴの仕事)、耳を貸さないこと。

『根拠のない大丈夫』を信じて、どっぷり安心感に浸っていてください。すると、それが自分の現実になっていって、「やっぱり大丈夫だった!」と感じることがたくさん起きるようになりますよ。

 なぜなら、現実は自分の心が創り出すものだから。幸せな心は楽しい現実を、ストレスの心は苦しい現実を創り出します。その現実が幾重にも積み重なったものが人生なのです。どうせ積み重ねるなら、楽しい現実のほうがいいですね。

 本気で大丈夫と信じて、好きなことを好きなだけやって生きていったらいいんです。たとえ「ん?」と思うことが起きても、それは必要なプロセス、大丈夫のうち。そう信じて進めば、のちのち「ここにつながったのか」ときっとわかるでしょう。

 もしかしたら、「そういわれも、とてもそんなふうには生きられない」と頭が反応するかもしれませんが、では心にどのくらい幸せの実感がありますか? それをよく見極めて。あなたの心は、『根拠のない大丈夫』を受け入れたがっていませんか?

 幸せは形ではなく、心の様相です。心が解き放たれてやすらいでいることが、一番大切なんです。その状態は、環境や他人がもたらしてくれるものではありません。あなた自身が、自分はどうありたいかを決めることのできる、唯一の存在なのです。

ゆりりんのブログ『ありのまま、なるがまま』

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Last Updated: 2018/05/08