エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.11
自分をどう楽しむ?

Vol.11 自分をどう楽しむ?

 私は先月の誕生日に自身の人生を振り返り、“何かを追い求める”生き方から“自分をどう楽しむか”という生き方に完全にシフトしたことを改めて実感しました。それで悩める心が解き放たれたことは間違いないので、もう少し詳しく書きますね。

 若いときは「こうなりたい」「あれを手に入れたい」「成功したい」とかなりがんばって、それなりの結果を手にしたこともありましたが、心の中は「まだ安心できない」「これでは足りない」「あの人みたいにならなければ…」という思いが渦巻いていて、不安と焦燥感が消えることはありませんでした。

 そんな苦悩から逃れるようにしてたえず何かを追い求め、つかのまの満足感や優越感に浸って疲れた心を慰めていたのです。追い求める姿は、はた目には夢をあきらめずに走り続ける活発な人に見えたことでしょう。

 当時は「いつか〜になる」という目標を次から次へと立て、それが「正しい生き方」と信じていました。じつは、この「正しい生き方」と「いつか〜になる」という発想をやめたことで心が救われたのです。

 まず「正しい」について。結論を言うと、人生は思うように生きていいのです。自分を偽らずに生きることこそが、その人にとっての正しい生き方だと思います。親や社会の常識にとらわれて、「自分はどうしたいのか?」という重大な問いかけを無視しないでください。あなたが本気で悔いのない人生を送りたいのなら。

 私たちが必ずクリアしなければならない人生のテーマは、「自分はどう生きるか」という課題と真剣に向き合うことなのです。それは「自分は何のために生まれてきたのか」と同義で、それが人としての在り方(生きる価値観)を形成するからです。

 次に「いつか」について。私はもう日常会話でも「いつか」と言わなくなりました。なぜなら「いつか」は幻のときだから。たとえば、あなたが「いつか素晴らしい自分になる」という目標を立てたとします。その背景に「今の自分ではダメ」という気持ちがあることが問題なんですね。

「今」自分の素晴らしさを認めることからはじめないと、いつまでも素晴らしい自分になれません。「いつか」は頭の中にあるときで、あなたが存在するのは常に今だからです。幻の「いつか」のために「否定的な今」を過ごさないことが大事なのです。

 そのためには、「今」の自分をありのままに受け入れて(自分の体験に善悪をつけず、だれとも比べないことが鍵)どう楽しむかです。まずは「このままの自分でよろしい、この自分を楽しむ!」と宣言しましょう。

 すると、心がイキイキしてきて、「本当の心の自由は、ひとつもダメがないことだったのか」ときっとわかりますよ。私はそのとき、何かにつけて自分を非難して、「こうあるべき」をいつも強いていたことに気づかされました。

 大丈夫、心を解き放ったところで決して自分勝手にはならないから。むしろ逆で、人を理解する心の広さが現れるでしょう。あなたの心は本来自由だったのです。さあ、心をもとの状態に戻してすべてを楽しみましょう。

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Last Updated: 2017/11/07