エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.07
心を満たすベストウェイ

Vol.07 心を満たすベストウェイ

 今の自分をいやがり、今ないものをほしがり、今いない人のことを考えて、今という二度とない貴重な時間を過ごすのはもうやめましょう。それをやめるとどんな世界が立ち現れてくるのかを、ぜひ体感していただきたいのです。

 体感するには、正反対のことをすればいいわけです。まずは、「今の自分で、今あるもので、今ここにいる人たちと楽しく過ごそう」と心に決めます。それを本気で実践すると、楽しいと感じたときには今の自分を受け入れているし、今いるところから人生が輝きはじめます。

「今の自分で、今あるもので、今いる人たちと楽しく過ごすだけで?」と思うかもしれませんが、これは一時的にはできても、継続して行うのはかなりたいへんで強い意志が必要です。だからそれをやり切ったとき、大きな成果が手に入るのです。

 手始めに、あなたの脳裏をかすめたことに意識を向けてみましょう。今、どんなことを考えましたか? ひとつの考えが浮かぶと、芋ずる式に次から次へと思いが出てくるはず。それは自分についてかもしれないし、今後の段取りかもしれません。

 そこで質問です。それは前向きな内容ですか? それとも何かを恐れて考え出したこと? 「今の自分をいやがったり、今ないものをほしがったり、今いない人のことを考えた」ということはありませんか? そこから生まれる気持ちは、「こんな自分じゃダメ」「もっと頑張らなくちゃ」「〜しなければならない」……なんですね。

 これでは“耐えて努力しなければならないつらい人生”になってしまいます。目標を持つのがよくないといっているのではありませんよ。目標を掲げた“今の自分”よりも大切な、未来の自分なんていないことを知ってほしいのです。

 目標や未来は思考の産物、思考の中の自分が幸せを実感することはありません。実際に幸せをかみしめられるのは、今ここにいる自分だけ。私たちが生きている場所は、常に“今”なのです。

 頭の中から心配事を締め出すには、今五感で感じ取れる事柄に意識を預けるのが一番です。たとえば、目をつむって呼吸を意識するとか、食べるときは食べる感覚に、歩くときは歩く感覚に意識を集中します。また、今目の前にいる人を重んじて喜怒哀楽を分かち合うことを最優先するようにしましょう。

 すると、自分がいかに人や物事に恵まれているかを肌で感じられて、「ありがたい」「私は生きてる!」という感情があふれ出すと思います。それが“満ち足りた幸せ”なのです。

 その気持ちを継続することを本気でやってみてください。なぜなら、本気にならないと心配事にとらわれる心の癖は取れないから。とらわれていたとハッと気づいたら、意識を今に戻す。そのうち「ハッとして戻す」が新たな習慣になればしめたものです。

 今の自分と今あるものと今いる人であなたの心を満たして、大きな成果である“やすらぎ”を手に入れましょう。

エッセイバックナンバー


| ホーム | プロフィール | エッセイ | ねっとカウンセリング | ファンレター |
| Booksコーナー | 講演依頼 | お知らせコーナー | ボイス・レター |

Last Updated: 2017/07/07