私たちは、ずっとほしかったものを買ったとき、おいしいものを快適に食べたとき、幸せな気持ちになりますね。しかし、そうではないものを買ったときや、そうではない状況で食べたときは、かえって不幸せになることがあります。
あなたは、思わず衝動買い≠竍過食≠ノ走ってしまったことはないでしょうか。私は20代のころに少し覚えがあり、そのときは、衝動を止められなかった意志の弱い自分を責めて落ち込みました。
きっとだれもが、その直後は後悔して「もうこんなことはやめよう」と強く思うはずです。が、またやってしまう……。原因を探っていくと、強い意志で欲求を抑えつけることができれば解決する、という問題ではないことがわかりました。
社会生活を送る中で、ストレスを感じない人はまずいないでしょう。溜まったストレスは、いわば「満たされない欲求」なんです。その不満を、手近な欲求(この場合は物欲と食欲)で代用して満たそうとする行為が、衝動買いや過食。
衝動買いや過食に走るときの心の中は、不安一色、ネガティブの極みです。それでも感情に流されて、経済的にも体調的にも精神的にも追い詰められていきます。あげくの果てに心が壊れてしまう人もいます。この衝動はどうすれば消えるのでしょうか。
まわりを見渡すと、日々膨大なストレスにさらされているにもかかわらず、冷静で、温厚で、衝動買いや過食に走ることはないという人もいますね。そういう人を観察していると、あることに気づかされます。
ストレスをものともしない人は、心のバランスをとても上手に取っているのです。ストレスを発散することに躍起になるのではなく、胸が躍る楽しいことを常にして、心をハッピーに保っている。日常生活に高揚感≠失わないようにしているんですね。
表現を変えれば、衝動買いや過食に走る人は、ウキウキする物事がまったくない、日常生活に山のような不満を抱えて、人生をつまらないと感じています。それでも、やらなければいけないことに追われてストレスは溜まる一方。それが限界を超えたとき、衝動買いや過食に走るのです。
衝動買いや過食を止めることに神経をすり減らすより、胸が躍る自分の楽しみ≠見つけることに情熱を注ぎませんか? 欲求不満で思わず人に八つ当たりしたり、つい自暴自棄に陥ってしまう人も同じです。
胸が躍る楽しいことは、本気で探せば必ず見つかります。なぜなら、世の中にはつまらない(ままならない)人生≠ェあるわけではなくて、つまらない(ままならない)と思う自分の心≠ェあるだけだからです。
決して希望をなくさないでください。本気スイッチが入って心に高揚感がよみがえったら、青く澄んだ空を見ても、一輪の花を見ても、「わあ、素敵〜!」とウキウキしますよ。そして、どんなストレスを受けても、明るく解決できるようになるでしょう。