先月はインフルエンザにかかり、数日間寝込みました。大人になってから40度の高熱を出したのは初めて。思考能力も気力も失せた状態で、眠っているのか目覚めているのかもわからないまま、不思議な体験をしました。今回は、そのとき垣間見た世界についてお話したいと思います。
普段なら風邪ひとつ引いても、布団のなかで、「どうして油断してしまったのか?」「ああ、しんどい!」「治るのにいつまでかかるんだろう?」とウダウダ考えてしまうのですが、さすがに何も考えられず今≠ノひたすら身を預けていました。すると感覚が研ぎ澄まされ、普段は意識しない自分≠感じることができたのです。
寝ている自分の外輪は、実際の何十倍、いえ何百倍もありました。それは、自在に大きさを変える魂≠セと自然にわかりました。布団にくるまっている弱々しい自分は、まるで羊水に浮かぶ胎児のようにして、魂にゆったり抱かれていたのです。
それまで私は、「人は体と心と魂からできていて、宇宙とつながっている高次元の魂は、体の中にいる」と思っていたのですが、違った! うれしいときも、悲しいときも、無気力なときも、ひとりぼっちだと思ったときも、いつも魂にすっぽり覆われていたんですね。
さらに、ひとりひとりの魂は、無限に広がっていつでも「ひとつ」になれること。私たちは全員、その「ひとつ」の命から分かれて地球に生まれたこと。どんな人生を送っても、宇宙に愛されていない人はいないことを、時間の消えた世界で知りました。
こうしたことが宇宙の真理≠フほんの入り口だとしても、入り口でのぞいた世界からそこは筆舌に尽くしがたいほど神々しく、愛に満ち満ちていました。「いつかここへ還ってくるんだ……」と思ったら静かなやすらぎを得たほどです。
これを読んで、「熱にうなされて夢でも見たんだろう」と思う人もいるかもしれませんね。何を思い、何を信じるかはあなたの自由です。2月のエッセイで本来の自分≠ノついて書いたところだったので、もう一歩踏み込んだ体験をシェアしたくなったのです。
人は宇宙の愛によって生かされているという実感、つまり「宇宙とつながって生きる」ことが、真の幸せだではないかと私は思います。その気持ちが、自他を愛し、自分の人生を大切に生きていこうという気力を生み出すからです。
もし、あなたが「幸せは自分の外側にある」「目に見えるモノがすべて」という即物的な世界で生活しているとしたら、もっと宇宙的な視点を持ってみませんか?
普段は生活に追われてストレス満載、宇宙や魂のことなんて考えるヒマはない、というならなおのこと、一日に一度、「自分は宇宙の愛によって生かされている存在だ」ということに想いをはせてみましょう。
愛の主を、魂、本来の自分、ハイヤーセルフ、サムシング・グレート、神様……どう呼んでもかまいませんが、「人生を体験したくて地球にやってきたのだから、泣くことや失敗することを恐れず、もっとのびのびと楽しく生きてごらん」と呼びかけるその声に、真摯に耳を傾けてみてください。きっと、チマチマした悩みに心を縛られなくなりますよ。