エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.09
みんな幸せの真っ只中

Vol.09 みんな幸せの真っ只中<br>
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 物心がついたときから身のまわりにあるものは、「あって当たり前」と思ってしまいがち。澄んだ青空も、陽だまりも、やさしく頬をなでる風も、道端を彩る花も、そこにあって当たり前と思えば、とり立ててありがたみを感じないものです。

 これは自然界のものに限った話ではありません。いつもそばにいてくれる仲間や家族も同じこと。自分を案じてくれる人がこの世の中にいる、健康で毎日ご飯を食べられる、住む家がある、会社はきちんと給料を払ってくれる……、それを「そんなの全部、当たり前じゃん!」と思ったとたん、自ら不幸になっていくんですね。

 不幸は試練≠ニいう形で人生にやってきます。そんな意識では幸せになれないから、考え方や気持ちを改めるきっかけを、宇宙というか、神様というか、大いなる存在が用意してくれるのです。

 かつて、私は病気という試練、つまり神様からの手紙≠受け取りました。そして、仕事も健康も自由も失った人生のどん底で、それまで「当たり前」と思っていたものが「そうではない」ことが身に沁みてわかったのです。

 病床で、神様にどんな返事をするかを真剣に考え、「当たり前にあるものなんてひとつもないことにやっと気づきました」「不足感でいっぱいだったのは、感謝を忘れていたからでした」「自然にあるものたちから幸せをもらいます」と心の中で書いて送りました。それからです、私の生き方が変わったのは――。

 自然界にあるものたちから幸せをもらうコツは、ジーッと心の耳を澄ませること。「もし、太陽にも、青空にも、花にも心≠ェあったら、私にどんなことを語りかけるだろう?」そんな気持ちで眺めていると心の対話がはじまります。

 それは、自分のあり方を振り返る貴重な対話。自然界にあるものは、人に何も要求せず、そこにある最高のものをただ与えてくれる存在です。これこそが無償の愛なのです。それを感じて「愛をありがとう」と言えるようになると、きっとあなたのやさしさがあふれ出すでしょう。

 また、いつもそばにいてくれる仲間や家族には、「一緒にいられる時間は限りがある。今が当たり前ではない」ということに思いをはせるのが一番です。すると、今という時間の尊さを実感でき、「ともにいられる時間をもっと大切にしよう」「自分がしてあげられることを惜しみなくやろう」という気持ちが自然にわいてくると思います。

 そのときには、自分から進んで仲間にねぎらいの言葉や労わりの言葉をかけませんか? 両親には何気なく感謝の気持ちを伝えませんか? たぶん極上の笑顔が返ってきて、あなたのほうがうれしくなりますよ。

 幸せとは、日常ではない特別な出来事や、ほかの人よりいいことが起こることではないんですね。当たり前を装って今目の前にあるモノや人、そして自分自身を、心からいとしむと自然に胸にわき上がってくる喜びなのです。さあ、「自分は最初から幸せの真っ只中にいたんだ。ありがたいことだ」と気づいて、あっというまに幸せになりましょう。

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Last Updated: 2015/09/07