エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.03
「自分にやさしい生き方」

Vol.03 「自分にやさしい生き方」

 あなたは困ったことが起きると、「早く解決しなくちゃ……」と焦りませんか? 私も前はそうでしたが、今は「焦って解決しなくていい」と自分に言い聞かせます。解決することよりも優先したい大事なこと≠ェあるから。それは「どうしてこんな問題が起きたのか?」と考えることです。

 そこに目を向けると必ず見えてくるものがあるので、それを発見することに必死になります。なぜなら、「出来事は自分を高めるためにやってくる」と信じているからなんですね。高めるとは「波動を上げる」「成長する」という意味です。

 それをまっ先に考えるようになってから、出来事に振り回されて自分を見失ったり、自分を責め続けることがなくなりました。というのは、納得できる答えを発見した時点で、ほとんどの問題は解決するとわかったから。たとえ具体的な後始末が残っていても、問題が起きたときとは全然違う気持ちで対処できるので大きなストレスにはなりません。

 あなたの身に困ったことが起きたら、その背後にある自分へのメッセージ≠ノ耳を傾けるようにしてみてください。そうすれば、焦るエネルギーを、前に進むエネルギーにきっと切り替えることができますよ。

 例として、ある女性の話をしましょう。彼女は知人に誘われて40万円のエステコースを申し込みました。家に帰ってお金のやりくりを考えると憂うつな気分になって、本当は必要のないものに大金をつぎ込んでしまったことを後悔しました。でも、その人に幻滅されたくないという気持ちが強く働いてキャンセルできず、私に相談を持ちかけたのです。

 私は視点を換えることを提案しました。「もし、目の前の問題があなたを高めるために起きているとしたら、何に気づけばいいと思う?」と尋ねると、彼女はしばらく考えてから「相手に調子を合わせて見栄を張るところ……」と言いました。
「どうしてそうなるのかしら?」
「たぶん、自分に自信がないから。自分を大きく見せたいのかも……」
「じゃ聞くけど、あなたが友人にしたいのはどっちのタイプ? 自分を大きく見せようとして見栄を張るタイプと、いつも等身大で正直なタイプ」
「もちろん等身大のほう……そっか、私、思ってることとやってることが矛盾してたんですね。自分をつくろうことばかり考えて、幻滅されないように背伸びばかりしてた……」

 彼女は等身大の自分≠ナ生きることを強く心に誓いました。それからキャンセルしたときは、自分でもおどろくほど堂々としていたそうです。また、知人に詫びると笑って許してくれ、ひとり芝居をしていた自分の愚かさを思い知ったと語っていました。

 あなたはこの話をどんなふうに受け止めましたか? 人生とは変化の連続ですから、よかれ悪しかれ、出来事は起こり続けます。そのとき、意に反することを「困った出来事、ついてない」ととらえるか、それとも「自分を高めるための出来事、ありがたい」ととらえるかで、心がたどる道はまったく異なります。自分をいじめないで、自分にやさしい生き方をぜひ選んでくださいね。

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Last Updated: 2015/03/07