今年のはじめに決意したことをこれからやり遂げようと思っているなら、ぜひ知っておいてほしいことがあります。それは「私たち人間は、心配されるよりも、信頼されるほうが力を発揮する生きものだ」ということ。
ここでちょっと、子どもたちが新しい競技にチャレンジしようとしている場面を想像してみてください。そこに、わが子を励まそうとふたりの母親が現れて、ひとりは、「お母さんは心配で心配でたまらないの。くれぐれも失敗しないようにがんばってね」と声をかけました。もうひとりは、「お母さんはあなたの力を信じてる。きっとできるから思い切ってやりなさいね」と声をかけました。
あなたが子どもだったら、どちらの言葉を言われるほうが勇気が出ると思いますか？ ……後者ですよね。なぜなら、心配という気を浴びると恐怖が先立ち、「できなかったらどうしよう」というイヤ～な緊張が生まれるから。その緊張が心身をこわばらせて、持てる力を発揮できなくすることが多いんです。
じつは、この母親はあなた自身の投影です。あなたは心のなかで、新しいことに挑もうとする自分にこれまでどちらの態度を取ってきましたか？ じゃ、今はどうでしょうか？
自分が持てる力を出し切るために、「できるかなぁ？」と心配するのはもうやめましょう。心配するパワーを「私はやる！ 必ずできるから大丈夫！！」と〝信じるパワー〟に切り替えるのです。最初に、それをやり遂げた自分の姿を思い浮かべ、それから目の前のことを一心にする――これが成功の秘訣です。
頭のなかにある「心配する＝うまくいかないことを考える」という鎖を断ち切り、「信じる＝うまくいく力を引き出す」という流れを作り出すことがとても大事。「そんなこと、わかってる」と思ったあなた、頭でわかっていることと実際にできることは違いますよ。
「だって自分を信じられないもん」という人は、信じてまた裏切られたら悲惨……とか、そんなことをやったってどうせ無駄……という失望感を抱えていることが多いんですね。それだけ心が傷ついているのです。
たとえ自分を信じられなくても、力を引き出すことはできますよ。私たち人間は、心がどんなに傷ついているときでも、自信をなくしているときでも、自分が成長するチャンスを外から奪われることはありません。自分がよりよく生きられるチャンスは、自分が生きている限りなくならないのです。
それは言葉では表現できないくらいありがたいことなんですね。あなたが「どんな自分でも必ず成長できるのはありがたい！」と心から思えれば、新たなチャレンジを心から楽しめるようになります。
どんなときでも自分のためにできることは、心のなかを感謝でいっぱいにして、これからすることを本気で楽しむこと。そこに一生懸命気持ちをもっていくことが、全力を出し切る〝最高のエール〟になるのです。
