エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.12
「おわりとはじまり」

Vol.12 「おわりとはじまり」

 この一年を振り返って今年はじめたこと≠ェ何かありますか? もしかすると今年おわらせたこと≠ェ先に思い浮かぶかもしれませんね。それは同じこと。何かをおわらせたとき、精神的にも物理的にも新しいことをはじめる状況が整うからです。

 中には、ひとつの人間関係に見切りをつけて、別の人と新たな関係を築きはじめた人もいるでしょう。また、できない理由を探すのはおわりにして、長年の夢に挑みはじめた人もいるでしょう。心が「おわり」を決めると、事態が動いて人生に新風が吹き込みます。

 私は、ジワジワと忍び寄る体力の衰えに凹むのをおわりにして、バドミントンをはじめました。楽しく体を動かすことが目的の同好会に参加。60代が主という気楽さもあって、元選手から手ほどきを受けながらワイワイやるうちに貴重な発見をしました。

 まず、スポーツの汗は冷や汗と違ってすごく気持ちいい!と実感したこと。思えば、私の仕事は座りっぱなし。めいっぱい体を動かすことがずっとなかったんですね。毎週一回びっしょり汗をかき、新陳代謝が活発になって活力がよみがえりました。

 次に、「今のうちにやれることを精一杯楽しもう!」という仲間が身近にできて、張り合いが生まれたこと。つい孤立しがちな生活環境の中で、じかに触れ合い、互いに励ましたり笑い合える時間はかけがえがないことを改めて知ったのです。

「そんなの当たり前」と思われるかもしれませんが、あなたに伝えたいのは、『人生に新風を入れるには恐れ≠ニ向き合う必要がある』。つまり、今より幸せでいたければ、『幸せの足を引っ張る発想をつかまえてピリオドを打つ勇気≠ェいる』ということです。

 自分が慣れ親しんだ考え方や習性をおわらせるのは、だれにとってもおっくうなもの。それで「このままでいるほうがラクかも……本当は嫌だけど、もう慣れっこだし……」というエゴのささやきに屈して、現状に甘んじてしまう人がじつに多いのです。

 結果、「あの人との関係を修了して新たな人と出会いたい」「人生の夢をあきらめないで実現したい」「コンプレックスを乗り越えてハツラツと生きたい」という希望を自ら踏みにじり、『後悔先に立たず』という人生になりかねないんですね。

 不安や恐れは、頭が余計なことを考えて作り出した幻想に過ぎないんですよ。そんなものに振り回されず、勇気を奮って幸せの足を引っ張る発想をおわらせましょう。幻想に埋もれていないで、現実を創るのです。もし、あなたが「人目を気にしすぎる」「失敗を極端に嫌がる」「自信がないことを言い訳にして動かない」という自分にげんなりしているとしたら、不安や恐れを生む発想をかなぐり捨てるという選択が残っています。

 その自分を想像して胸に喜びがフツフツと込み上げたら、それが魂の答え。人生の「イエス」なのです。頭に頼れば頼るほど、比較して落ち込み、しくじったらどうしようという脅しにあおられてしまいます。そうではなく、胸に喜びを感じられることを大事にしてください。それが「自分を愛する」ということですよ。

 人生は一度きり。00歳のあなたは今しかいません。今ある可能性を最大限に生かしましょう。今年のうちにぜひ不要な発想にケリをつけ、来年はあなたの「イエス」を喜々として実行する年にしましょう!

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Last Updated: 2014/12/07