エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.10
「ありのままのキャラが一番いい」

Vol.10 「ありのままのキャラが一番いい」

 私たちは自分に自信が持てないと、つい「このままではいけない。もっと違うキャラにならなくては……」と思いがち。たとえば、人見知りする人は「初対面でも明るく話せるようになれ」と、大雑把な人は「もっと繊細に気を配れるようになれ」と、もとのキャラと正反対のことを自分に要求します。

 あなたはそんなことありませんか? 仮に、あなたが今と違うキャラになるべく努力して格好がつくようになったとしましょう。そこで人にほめられたとして、どんな気持ちになると思いますか? 

 うれしいはずが……、ちょっと違う。「ほめられたのは本当の私じゃない」という気持ちをぬぐい切れなくて、心から喜べないんですね。なぜなら、あなたが手放しで喜べるのは、ありのままを受け入れられたときだけだからです。

 もしかすると、そう言われてちょっと混乱するかもしれませんね。「『ありのままでいい』とか『変わらなくてはいけない』とか……、いったいどうすればいいの? どっちが正しいの?」って。

 じつは両方とも正しいのです。あなたが幸せに生きていくためには、ありのままの自分を大切にした上で、進化する必要があるのです。間違わないでほしいのは、ありのままの自分を否定して「こんな私は認められない、変わらなくてはいけない」と思うこと。

 二段階で考えるとわかりやすいと思います。第一段階は、ありのままの自分に価値があることを認めて、今の自分を100%ゆるす。第二段階は、ありのままの自分を成長させるために、今握っている恐れを手放す。この順で自分を応援しましょう。

 例として、人見知りする人はこんなふうに自分に言い聞かせる。「人見知りは欠点じゃない。気が小さくてかわいいキャラ。出会った人に、最初に『私、すごく気が小さくて人見知りするんです』と言えばOK! その流れできっと自然な会話がはじまるよ」。

 大雑把な人はこんなふうに。「大雑把は見方を変えれば大らか=B相手のことを大らかに受けとめられる利点をガンガン伸ばそう!  作業に関しては、ひとつひとつに心を込めてやれば問題ないよ」。

 以前の私は、「ありのままでいたいのはやまやまだけど、本心を見せたらどう思われるか不安。ろくなこと考えてないから、やっぱり人には話せないな」と思って、自分を装っていました。でも心が疲れ、隣人に「ろくなこと考えてない私がいる」と白状すると、即「私も!」と言われてビックリ。「自分だけじゃなかった」とホッとした覚えがあります。

 だれもがエゴを抱えているから、心の中はけしてキレイばかりではありません。だからといって、カッコつけてありのままでいられなくなるくらいなら、自分を偽らずカッコ悪いキャラ♀ロ出しでいるほうがずっといい。それが「今の自分を認めてゆるす」ということなのです。

 人間関係に疲れるのは、自分を装ったとき。心を開いてありのままのキャラで接すれば、結果として、失うもの(人気や信頼)など何もないことがきっとわかりますよ。

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Last Updated: 2014/10/07