エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.08
「私の好きな詩」

Vol.08 「私の好きな詩」

 プロカメラマンの中山万里さん。乳癌が肺に転移、余命1年の宣告を受け、2008年37歳で帰らぬ人に。あと1年しか生きられないと知ったとき、改めてカメラマンとして生きることを選んだ彼女の詩に出会い、大きく心を揺さぶられました。その1編を紹介します。あなたは何を感じるでしょうか……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『空地への感謝28+1』より

生命と真剣に向き合った時にみつかるものがある…

辿り着きたくてずっと探していた
どこなのかもわからず…どこにあるのかも知らずに…
ただ いつか辿り着けると信じていた

ファインダーを覗いて意識を集中していると
自分が消えてしまいそうで怖くなる
でも その怖さを超えた先に
とてつもなく大きな存在に 
やさしく抱きしめられているような
絶対的な安心があることを知っている…

複雑に絡み合った思い込みをひとつずつ
シンプルにしていく作業を焦らずにする

瞬間と永遠を同時に生きること
それは「いまを生きること」

人には いろんな環境があって
それぞれ悩ましい内容は違う
そして 悩ましい振り幅も違う
でも同じなのは 幸せに向っているということ

思い通りにならなかった時は さみしくなる
そんな時は 目を閉じて呼吸に意識を向ける
さみしいのは幻だと気づく…

「まだ死にたくない!この地球でしたいことがある!!」
わたしは神様に宣言した

生きていること…そのことが奇跡
死んでいくこと…それも奇跡

Yes… 目の前で起こるすべてをありのままに受け入れて感謝する
抵抗すると苦しくなることはよくわかった

傷ついた犠牲者の自分をいつまでも大切にしないで
少しずつでいいから 手放していこうと思う
本当は傷ついているわけでも
傷つけられたわけもないから…

光の向こうに何があってもわたしは向う
さみしさも苦しみもすべて必要ないと決めて…

「癒す」ということは 最終的に
「ゆるす」ということなのかもしれない…

エッセイバックナンバー


| ホーム | プロフィール | エッセイ | ねっとカウンセリング | みんなの広場 |
| Booksコーナー | 講演依頼 | お知らせコーナー | ボイス・レター |

Last Updated: 2014/08/07