エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.04
無理をしない「今のベスト」を知ろう

Vol.04 無理をしない「今のベスト」を知ろう

 朝、目を覚ますと、「今日は気分が冴えない」と感じるときがあります。たちまち、いろんな考えが交錯します。「甘ったれるな、シャキッとしろ!」「これじゃ、何をやってもうまくいかないだろうなぁ」「休みたいよぅ」……そんな経験、ありませんか?

「今日は気分が冴えない」と感じたら、不安をかき立てないようにして、ハードルを少し下げましょう。特に女性は精神が不安定になりやすい日もあるのだから、いつもいつも、100パーセントの自分で勝負しなくていい。ハードルを下げる日があったってかまわない。むしろ、冴えない日は今の自分のベスト≠知る好機です。

 ベストの基準は「笑顔でがんばれるところまで」。だから、笑顔が引きつってる…と感じたら、迷わず、ひと休みしましょう。長い目で見れば、人生はそのほうがうまくいきますよ。私はそれを身をもって経験しました。

 以前の私は完璧主義で、目標を立てたら全部こなさなくては気がすまないタイプでした。気分が冴えなくても休むことを許さなかったのは、休むこと=怠けること、と思い込んでいたからです。

 そんな調子でがんばり続けた結果、体をこわして入院しました。ベッドに身を横たえて自問自答したことは「私の人生に、体を壊してまでしなくてはいけないことってある?」。答えは「ひとつもない」。

 以来、「今が楽しくなければ意味がない。体が悲鳴をあげたら、それ以上続けるべきじゃない」と考えるようになって、何をするにも完璧≠求めなくなりました。じつは、こんな想像をしたんですね。

――『地球には、人間の数だけ人生ゲーム≠ェある。このゲームは、幸せに生きてあがったほうが勝ち。だったら「無理をするが勝ち」ではなく、「楽しむが勝ち」だ。どんなことだって楽しければ夢中になるし、夢中になれば結果はついてくる。問題は、楽しくもなんともないことをやるときに、どうやって楽しむかだ』って。

それからは遊び感覚で、何をするときも小さな楽しみを探しはじめました。なんとかしてやりがいを見つける「工夫」をするのです。それでも、どうしても疲れを感じたり、気分が乗らない日は、トランプ遊びの要領で「パス!」。

 パスするのは人付き合いだったり、自分ががむしゃらにがんばることだったり……。パスして心身を休ませ、気力と笑顔が復活するのを待つのです。

 とはいっても、仕事がからむと気軽にパスできないことも多々あると思いますが、そんなときは心の中で「今日は無理しなくていい」というあなただけのパスを出しましょう。これがハードルを下げるということ。すると、とっておきの笑顔を守れますよ。

 顔が自然にほころぶときは、心が幸せなときです。この世界に自分を愛したくない人はひとりもいないのに、自分の体を痛めつけている人が大勢いることは、とても残念です。あなたの体を労わることができるのは、世界にあなたひとり。自分の体の一番の理解者、自分を世界一愛する人でいてください。それでこそ、人に尽くすことができるのです。

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Last Updated: 2014/04/07