エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.12
思い通りにならなくても幸せ

Vol.12 思い通りにならなくても幸せ><br>
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「人生にはどうしてこうもいろいろな問題が次から次へと起こるのか……」とやり場のない憤りを覚えたこと、ありませんか? その場合の問題は"思い通りにならないこと"ですよね。それが増えるほど心は悩みに縛られてしまいます。

 チベット仏教にはこんな言い伝えがあるんですよ。『シャンティディバ』、意味は「もし自分でその問題が解決できるなら、なぜ悩む。もし解決できないなら、悩んでなんになる」私はこの言葉を知ったとき、「うーむ」とうなってしまいました。

 いつのまにか悩むことに慣れてしまい、たえずままならない出来事に心を奪われていたと気づいたのです。それは「あのとき、ああしていれば……」という後悔から「こうならなかったらどうしよう……」という将来の不安、さらにいつ訪れるかわからない天災まで、あげればキリがありませんでした。

 そのころは、思い通りにならないことがあると、心の中でそれを非難して自分の不満を正当化していました。なんというエネルギーの無駄遣いでしょう……。もしかすると私は、「物事が思い通りにならない限り、幸せになれない」という暗示にかかっていたのかもしれません。

『シャンティディバ』の意味が暗示を解く呪文のように心に沁みて、「起こることは変えられなくても、それに対する見方は変えられるはず。こうでなくちゃダメだ!という自分の"決め付け"を死にもの狂いで捨てていこう」と新たな決意をしたのです。

 以来、「こうあるべきなのに……」という決め付けに気づくと、「人は人、私は私。これはこのままでかまわない」と見方を改める努力を続けました。今思えばあのときが、「物事が思い通りになったときが幸せ」から「物事が思い通りにならなくても幸せ」という生き方のはじまりだったような気がします。

 それから十数年、ままならない出来事は相変わらず山のようにあるけれど、以前より、物事の展開を"人生の機微"として楽しめるようになりました。うれしいときは素直に喜び、うれしくないときはその体験から学び、「物事が思い通りになってもならなくても、いつも幸せ!」と言えるようになったのです。

 私たちは本来、あらゆる感情に揺さぶられながらも、どの瞬間も幸せに生かされている存在なのです。そのことが腑に落ちてから、私は生きていくのがとても楽になりました。悩まない生き方……それは夢ではありません。だれにでも実現できることなんですよ。

 あなたにとって悩みとは何で、本当の幸せはどこにあるのか、それを真剣に考えてみませんか? そして、ままならないことに心を奪われる時間をもっともっと減らして幸せに生きていきましょう。それはきっとできます。あなた自身がそうすると決めれば!

 私がどんな出来事をきっかけにそうすると決めて今のような生き方をはじめたのか、それは『涙は明日の喜びになるから』にすべて書きましたので読んでくださいね。今年も、たくさんの声援を本当にありがとうございました。

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Last Updated: 2013/12/07