もし、あなたが人と接するときに自分を装ってしまうことがあるとしたら、それは「ありのままの自分ではダメだ」と思い込んでいるせいではないでしょうか。
いつごろからそんなふうに「ありのままの自分ではダメ、それでは愛されない」と思い込んでしまったのでしょうか? ちょっと振り返ってみましょう。もしかすると、幼いときに誤解≠オたままになっていることがあるかもしれません。
幼いとき、親に叱られて「気をつけないと愛してもらえなくなっちゃう……」と思ったとします。でも、親の望むようになかなかできなくて、また叱られます。あなたは「それでも愛して!」とは言えず、傷つき、ありのままの自分ではダメだと思い込んでしまった。そんなことはありませんか?
たとえ、親がしょっちゅうあなたをほめたり、愛してると言ってくれなかったとしても、むしろ「もっとこうなりなさい」と要求ばかり押し付けたとしても、けしてあなたを愛していなかったわけではありません。親も言葉足らずだったのです。それを幼いあなたは誤解したんですね。
いつも自分を装って相手に合わせていれば、表向きはうまくやれても、心には、満たされない思いやさみしさがきっと残ると思います。だって、あなたはずっと素の自分を愛してほしいと願っていたはずだから。
自分を装っていると、つい、人も同じだろうと思ってしまいます。それでヘンに警戒して、素直に感情を表すことも、また素直に人の好意を受け取ることもできなくなることがよくあります。
あなたの胸の痛みを汲めなかった親と、傷ついて自信をなくした幼い自分を、今ここで許しませんか。そして、ありのままの自分、「愛して!」と素直に言える無邪気な心を取り戻しましょう。
親から十分に認めてもらえなかった分、今のあなたが、ありのままの自分を十分に認めればいいのです。毎日、鏡の中の自分に向かって「そのままの自分でOK!」「素の自分が一番魅力的!」と容認の言葉をしっかり届けてください。
ありのままの自分をいきなりさらけ出すなんて、むずかしくて……という人には、いいアイデアがありますよ。目の前にいるこの人に"真心を出し惜しみしない"と肝に銘じるのです。
真心とは、偽りや装飾のない純粋な気持ち。それはいくら捧げても減りません。あなたが真心を差し出そうとすると、疑いや不安が心からはじき出されて、装う自分がいなくなります。
相手ともっと親密になりたいと思ったら、話をするときも、手伝いをするときも、これ以上できないと思うくらい真心を込めましょう。すると、相手もきっと真心を返してくれますよ。そのときから、ステキな真心と真心の触れ合いがはじまるでしょう。