あなたは自分をどのくらい信じていますか? 「何があっても絶対に信じる!」と答えられる人は、残念ながらそれほど多くないような気がします。
なぜなら、どうしようもなく情けない自分や、不正直で不本意な自分がいることを一番よく知っているのは自分だから。つい自分を責めたり、「どうせできないくせに」「きっとやらないだろう」と疑ってしまうんですね。
人生に行き詰まり感がある人、ちっとも先へ進めないように感じている人は、自分を信じることを忘れて、次々と起こる問題に振り回されているのかもしれません。人間関係が冴えないのも、おもしろいことが起こらないのも、もしかしたら自分を信じられないことが原因なのかもしれませんよ。
人間は【自分を信頼している分だけ、自分以外の人も信頼する】といいます。つまり、自分を信じられない人は、人のことも信じられないのです。ずっとそのままでいるのはあまりにもさみしいと思いませんか?
自分を信頼するということは、「自分は優秀だ」「何でもできる」と信じるということではありません。むしろ逆で、どんなに不甲斐ない自分でも、自分と自分の人生を信頼する気持ちが大切だといっているのです。
私たちは簡単に自己嫌悪に陥りやすい生きものです。だからこそ、自分を信じる気持ちがいっそう必要なのだと強く感じます。私は「もっとマシな自分なら信じられるのに」となげいていたころは、ずいぶんつらい思いをした記憶があります。本当は励ましたいのに、気がつくといつも自分を責めていました。
他人へのまなざしは、自分の心の映しです。当時の私は、他人の不甲斐なさにも腹を立てて……そんな自分を好きになれるわけがありません。その後、心理を学び、ありのままの自分を許し、そして受け入れることで、少しずつ信頼を取り戻していきました。
私が一番変わったことは、『みじめな体験=成長の糧=天の贈り物』と本気で思えるようになったことです。みじめさを味わうことは悪いことではない、目に見えない速度で自分は確実に成長している、と信じられるようになりました。
あなたも【みじめな体験の陰には必ずギフトが隠れている】と考えてみてください。そのときはわからなくても、のちのち必ずその価値を理解するときがやってくるから。そう信じることで、自分と自分の人生を信頼するあなたが生まれると思います。
あなたがこの先、泣きたくなるような、もっと言えば死んでしまいたくなるような目に遭ったとしても、その体験はけして無駄にはなりません。生きるとは"成長の過程"を体験することだから、何があっても顔を上げて堂々と生きていってくださいね。
それはみんな同じです。お互いの成長を信じ合い、励まし合って、少しでも楽しく過ごしましょう。まずはあなた自身が、自分はわずかでも成長していると本気で信じることですよ。