エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.12
新時代のしあわせ

Vol.12 新時代のしあわせ

 この一年を振り返ってみると、私たちはたいへんな状況に向かっていることをヒシヒシと感じます。世界経済も自然災害も、まだしばらく収拾がつかないかもしれません。来年はおそらく正念場になるでしょう。

 あなたも、将来に漠然とした不安を抱えてなんとなく重たい気分になっているかもしれませんね。こうした状況を「最悪」と見るか、それとも、今こそ自分たちの「変わり目=飛躍のチャンス」と見るか、それが日本人の心を二分しているように思います。

 日本人は高度成長期に次ぐバブル期を体験して、もっと裕福になりたいとお金だけを追い求めてきたような気がします。しかし、全員がこのままでは幸せになれないと気づいて、これからは何を心の拠り所にすればいいのかを考えはじめました。

 そんな中で、「幸せを求めるのなら自分たちの意識を変えよう」という人々と、「だれか責任を取って今の状態を何とかしてくれ」という人々に分かれてしまっているようです。どちらの人々がより幸せに近づいているかは明白ですよね。

 目に見えるものを追いかけて一喜一憂するのではなく、目に見えないものの価値をきちんと認めて、どうすれば自分が幸せでいられるかを真剣に考えるときがきているのです。今幸せではない人は、今までの何かを変えなくてはいけないと思います。

 もっと精神性を高めて、自分がブレない生き方を目指しましょう。まわりに流されて生きるのではなく、自分が大切にしたいものを明らかにして、自分の中心に据えるのです。あなたが大切にしたいものは何ですか? 愛ですか? 感謝ですか? 謙虚さですか? 良心ですか? それとも自尊心ですか?

 人間が求める幸福感には段階があって、それは意識が高まるに連れて変化していきます。端的にいうと、「物を所有したい」から「やすらぎを得たい」「つながりたい」になり、最終的には「人を幸せにしたい」「人の役に立ちたい」がもっともしたいことになるんですね。

 そう考えると、人間ってなんて素敵な生きものだろうと思いませんか。だったら自分が生きているうちに、少しでも早くその境地になって最高の幸せを味わいましょうよ。世の中が変化して価値観が大きく崩れた今こそが、変身のチャンスです。

 もしかしたら、あなたはすでに自分の意識が変わったことを自覚して、さなぎから蝶になったような高揚感を味わっているのかもしれません。だとしたら、まわりの人に手を差し伸べて、その勢いをもっと増幅させましょう。

 勢いを増幅させるといっても、モタモタ、クヨクヨしている人を責めたり、せかさないでくださいね。その人の中に、目には見えないすばらしいものがあることを気づかせてあげるのです。それが(やさしさでも、無邪気さでも、明るさでも)どれほど魅力的で、それで人を包み込めばどんなに喜ばれるかを教えてあげましょう。

 あなたはそんなふうにして、いつでも「人を幸せにすること」ができます。そして自分もまた幸せを感じることができるのです。これからは、何でも分かち合うことで喜びが深まっていく時代になると思います。目に見えない一体感をしっかり感じて、力を合わせて生きていきましょう。

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Last Updated: 2011/12/07