エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.09
決め付けない純白の心

Vol.09 決め付けない純白の心

 人は「自分の人生にこれから起こることを知りたい」と思ったり、「やっぱり知らないほうがいいのかも」と思ったりします。あなたはいかがですか?

 もし、自分の未来を知ることができたら、ショックを受けるような事柄への心の準備はできるかもしれませんが、感動する喜びは激減してしまうでしょうね。もしかすると、物事を生み出そうとする情熱を失ってしまうかもしれません。

 たとえば私たちは、生物にはいずれ死が訪れることを承知していても、それがいつ自分の身に訪れるかは知りません。だからこそ、今生かされていることに感謝して、毎日を精一杯生きていこうと思います。

 また、強い意志があれば夢はきっと叶えられると頭ではわかっていても、どうすれば強い意志を持てるようになるのかは知りません。だから夢を叶えるために心を磨こうと思います。そうではありませんか?

 こうして人は、未知への不安を"楽しみ"や"希望"に変えることで人生を前向きに生きられるようになっているのです。もしも未知への不安から逃れたくてあらかじめ立てた人生計画にしがみつけば、敗北感や挫折感を味わうことになってしまうでしょう。

 私は計画を立てることがよくないと言っているのではありません。人生が計画通りに運ばないのは当たり前だから、何事も「計画通りにいくのがベスト」という考え方をやめましょうと言いたいのです。

 だって失敗や失恋や自信をなくす体験などを、あらかじめ人生計画に盛り込んでおく人はいませんよね。でもそういうことは実際に起こるし、あとから振り返ってみれば「あれはいい(必要な)体験だった」と思うことが人生には山のようにあるからです。

 それはつまり、あなたの未来には、予期せぬ人生の荒波を乗り越えて、今よりも成長した"未知の自分"がいるということなのです。

 何かにつけて「こんなこともできないダメな私……」と思ってしまうのは、既成概念に縛られている証拠です。物事は計画通り順調にいくのが"幸せ"とは限らないんですよ。知らず知らず決め付けているさまざまな概念からもっと自由になりましょう。

 人生計画に【予定外】という欄を設けませんか。その意識(受け入れようという心構え)が、あなたの中から臨機応変に対処する才能を引き出して可能性を広げてくれるから。そうすれば必ず、あなたはもっと賢く、もっと強くなれると思います。

 予定外の出来事に遭遇することを"悪"と考えてしまうのも既成概念です。予定外の出来事は"ひと皮むくとき"と考えて、落ち込んだり反省したりしながら、ラッキョウの皮をむくようにして既成概念の皮をひとつひとつむいていきましょう。

 そうやって頭で決め付けていたことを取り払うと、心は自由を取り戻します。もしかすると、自分の心を縛っていた人生計画は他人の受け売りだったということに気づくかもしれません。

 あなたの未来には"未知の自分"が待っています。未知とは希望です。何も決め付けない純白の心で、希望の出発点に立ちましょう。

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Last Updated: 2011/09/07