エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.08
困難にぶつかったら

Vol.08 困難にぶつかったら

 もし、あなたが何らかの災難に見舞われたら、もしくは、テレビで天災などの惨事を目の当たりにしたら、こんな発想をしてみてください。この発想は、日常生活のちょっとした困難を切り抜けたいときにも助けになるでしょう。

 それは【胸の痛みを味わった意味を考える】こと。「うっかり忘れていることはないか?  それに気づいて心を改めるときがきている」と考えるんです。胸が痛んだときは、他の人を責めたり不運をなげいたりしている場合ではありません。いつでも困難を乗り越える"答え"は、あなた自身の気づきの中にあります。

 悲惨なニュースを目にしたことも偶然ではない。人生は、たとえそう思えなくても必然の連続なんです。同じ瞬間に、同じ人間でもあなたは無事に生きている……だからこそ、他の人の災難を「かわいそうに」と思うだけで終わらせないでください。

 もしも、あなたの仲間がつらい出来事を体験して、「人事だと思わないで。これを無にしないで」と内奥にささやきかけているとしたら…? 私たちは、魂のレベルではみんなつながっています。一丸となって成長することを望んで生まれてきたひとつの集団だから。

 顕在意識では自我がぶつかり合い、物事に執着していがみ合っていますが、潜在意識では全員仲間なのです。ちょうど森の木々の葉のように――*葉っぱの一枚一枚がひとりひとりの人間だとすれば、小さな枝は家族かもしれません。一本の木は根を共有する運命共同体、いわば国や組織。そうした木々が寄り添って森を形成し、すべてが等しく大自然の恵みによって生かされています*――。

 私たちはそんなふうにして生きているのです。そこで葉っぱ同士が蹴落とし合ったり傷つけ合うなんて、いかに無意味かわかるでしょう? あなたは気持ちよく風にそよいで生きていけばいいし、どんなときもひとりぼっちではないことを知ってほしいのです。

 痛みから学びましょう。それは心のカンフル剤と言えるんですよ。なぜなら、私たちは胸の痛みを感じることで大切なことに気づき、新たな喜びや幸せをかみしめるようにできているからです。

 その結果、たとえば「もっと命を大切にしよう」と思ったり、「悔いが残らないように夢をあきらめない」と決意したりできるんですね。どんな気づきも必ずあなたを前進させてくれます。魂の仲間たちが、ときには命に換えて残してくれるメッセージを、決して無にせず、成長の糧にしていきましょう。

 私はそんな考え方をするようになってから、「人間ってすばらしい!」という敬意の気持ちが芽生え、人間に対する尊厳を感じるようになりました。それが自他への愛を育む原動力になっているような気がします。

 人は困難にぶつかると、少しでも早く必要なことを学んで壁を乗り越えようとします。つまり、あなたの胸が痛んだときは、あなたがバージョンアップするチャンス! それはベスト・タイミングでめぐってきます。くじけず、絶好のチャンスを活かしましょう。

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Last Updated: 2011/08/07