エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.06
人生を軽やかに生きる

Vol.06 人生を軽やかに生きる

 回転寿司店のカウンターに座っている自分をイメージしてみましょう。あなたは次々とターンテーブルに乗って近づいてくる皿を目で追い、「このネタは苦手だから見送って……あっちがおいしそう!」と好きなネタを食べています。

 しばらくするとまた見送ったネタが回ってきたので、「あーん、またきたよ。パスパス」と敬遠します。そこで質問! もしもこれが寿司ネタではなく"人生のネタ"だったらどうなるでしょうか。寿司店なら好きなものだけ食べて帰れますが、人生という成長を目的とした場では、そういうわけにいきません。

 苦手と感じる"人生のネタ"には、避けては通れない"人生の課題"が隠れています。それはあなたがもっと楽しく軽やかに生きるために取り組まなければならない課題なのです。だから何度でも巡ってきます。それを無視し続ければ、それこそ人生がいやな出来事のオンパレードになって「もうこんな人生いや!」ということになりかねないでしょう。

 あなたは、自分がクリアすべき課題に本当は気づいているのではありませんか? このままではいけない、変えたいと思いながら変えられないでいることです。たとえば「人を信頼する」とか「自分を信じる」、あるいは「見返りを求めない」「失敗を恐れない」「自分に嘘をつかない」「素直に受け入れる」……などなど。

 自分が過去に傷ついたことがらを乗り越えるのは勇気がいります。かと言って、いやな出来事から逃げて成長の機会を先送りしていれば「ちっとも前に進めない」という別の苦しみを背負うことになってしまいます。それは、がんばって生きても、ここまで進んだという達成感や満足感を得られない苦しみです。

 そんなことのないように、いやな出来事に対するイメージを塗り替えましょう。人生には『いやな出来事が次々にやってくる』のではなく、『クリアすべきことが、自分の成長に合わせて絶妙なタイミングでやってくる』と考えるんです。そして、クリアすべきことが起きたら「もう逃げない」と覚悟してこれまでと違う行動に出てください。

 そう、勇気を出して苦手なネタを口に放り込む。つまり、つらい感情をしっかり味わい、噛み砕いて消化してしまうんです。すると必ず違う結果がやってきます。なぜなら、苦手なネタほど滋養があって心を強くしてくれるから。現実を変えてくれるから。その体験が「受け入れれば越えられるんだ」という自信につながると思います。

 しかし課題に取り組んでいる最中は、同じところをグルグル回っているような気がして心細く感じることがあるかもしれません。そんなときでも、あなたは確実に前に進んでいるから心配しないで。心の成長は、螺旋階段をあがるのと似ていて、潜在意識に起きた変化が顕在意識にのぼって行動に反映されるまでちょっと時差があります。だから、自分の成長にはなかなか気づきにくいものなのです。

 そんなときは「2ヶ月前の自分だったらどうしていたかな?」「半年前だったらどうなっていただろう?」と振り返ってみれば、少しずつ前に進んでいることがわかって安心するはず。このプロセスをくり返し、人生をどんどん軽やかに楽しくしていきましょう。

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Last Updated: 2011/06/07