エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.04
夜明け前

Vol.04 夜明け前

 震災からおよそ1ヶ月。あなたの心にはどんな変化が生まれたでしょうか? 信じがたい大惨事に遭遇して、私もしばらく大きな喪失感を味わいました。そして「自分にできることは何だろう」「どうすればいいんだろう」と考えました。きっとあなたもそうでしょう。今回はそれをテーマにエッセイをお届けします。

 被災した人たちが少しずつ立ち直っていくようすを見て、胸が熱くなったり、逆に発言から勇気をもらったという人も大勢いると思います。私もそのひとりです。「何もかもなくなったから、笑うしかない」「命があるだけでもありがたい」「自分だけがつらいわけじゃない」「希望を捨てないで立ち直ります」などなど……。

 人間が生きていくのに、本当に必要なものは何かを教えられた気がします。それは笑顔、命の尊厳、希望、信念……。さらに海外メディアが取り上げた、秩序、労わり合う心。分かち合う心、運命を受け入れる強さ……。そうしたものが世界中の人々を揺り動かし、「日本がんばれ」のエールになったのでしょう。

 日本人は膨大な犠牲をはらって、人類にパラダイムシフトを起こしたのかもしれません。パラダイムシフトとは、人々の認識や価値観が劇的に変わることです。こうした世界の動きを察知して、「私(たち)はいつどこにいても、自分(たち)のあり方を選択できる!」ということを改めて感じた人もたくさんいると思います。

 あなたは、すでにはじまった"パラダイムシフトの只中"にいます。その意味において意識はつながっていますから、これからは凝り固まった価値観で「変わらない生活」を求めず、「柔軟な生き方」を選び直す必要があります。

 自分が予期せぬ事態でいつ死んでも悔いない生き方を選ぶために、何をはじめますか? 何をやめますか? 具体的に考えてみましょう。口先だけでなく、命がけで"それ"を大事にするということです。あなたにとって"それ"は何ですか? 

 人間は「恐れ」にスイッチが入ると自分のことしか考えなくなります。でも「愛」にスイッチが入ると与える人になります。スイッチは自分の意志で選択できます。恐れを抱いて奪う側の人間にならないで、勇気をもって愛を差し出す側の人間になりましょう。 「家族を大事にしたい」と思っているなら、それを本気でやってください。「ライフワークに従事したい」のなら、もう迷わないで突き進んでください。あなたの強い決意がまわりにいる人たちに愛と勇気を与え、新しい世界を築く一助になるでしょう。

 多くの人々が、心をひとつにして痛みを乗り越え、未曾有の大惨事から復興し、かつてない進化を遂げる――私はそう信じています。ひとりひとりの力は小さいけれど、意識がつながったときには莫大な力になるからです。ひとりひとりの想いが、すべてを生み出す源なのです。

 まずは、あなたの意識から。日本は、経済的にも今後さらに厳しい状況に立たされるかもしれません。こういうときに日本にいることをなげかないでくださいね。あなたの力が必要だから、あなたはここに生まれたのです。意識をしっかり「愛と感謝」に合わせて、自分にできることを精一杯やりましょう。

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Last Updated: 2011/04/07