エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.12
「師走に贈る言葉」

Vol.12 「師走に贈る言葉」

 今年が終わってしまう……まだやり残していることが気になるのもこの時期。私たちは、師走と聞くだけでなんとなくあわただしく感じるものです。そして「あれを済ませなくちゃ」「これも片付けておかなくちゃ」と思います。

 思ったらすぐに行動できるといいのですが、なかなかそうもいかず、気持ちばかりあせって地に足が着かない……。そうなると「今年のことは今年のうちに」「今年の自分を振り返って来年に備えたい」と思っていたことも忘れてしまいます。

 目先のことにとらわれて自分を見失っていくのは、たいへん居心地の悪いもの。ひとりになると、充実感とは正反対の「なんとも言えないイヤな疲れ」をどっと感じるかもしれません。もしもあなたがそんな気配を感じていたら、今ここで立ち止まって"見失ってしまった自分"を取り戻しましょう。

 私もそんな状態に追い込まれたことが何度もあります。その体験を経て今思うことは、「自分がとらわれていたものは、それほどたいしたものじゃなかった」。誤解を恐れずに言うなら、「何事もしょせんは人生のひとコマに過ぎない。自分を見失い、心身の健康を損なってまでするべきことなど何もない」ということです。

 あなたには"大切な自分"を守る使命があります。心身を痛めつけ、「生きていても仕方がない」なんて感じさせるのはもってのほか。大切な自分を少しでも喜ばせることこそが、本来あなたのするべきことではないでしょうか。

 私たちの生きがいは喜びです。どんなにささやかな喜びでも、その中で暮らしていれば死にたいなんて考えません。その自分の生きがいである喜びを、他人に与えてもらおうとするところに問題が生じるような気がします。
『人間は、自分の意志に応じた分の幸せしか手にできない』と言われます。意訳すれば、「幸せになるんだという強い意志を持って行動する人間だけが、それに見合った幸せを手にできる」ということ。

 あわただしい師走にあっても、「日常の小さな喜びを見逃さないぞ!」という意志を強く持ちましょう。そうすればきっと充実したときを送れるから。そして、今している作業を「つらい、たいへんだ」とぼやきながらしないで、そこに「ちょっとした喜び」を見つける工夫をしてみましょう。

 作業そのものがどうしても楽しくない場合は、青空や夕日など、大自然の恩恵を「ありがたいな」と感じることでもいいと思います。あなたは限りない恵みの中で生かされるのだから、その気になればどこで何をしていても喜びを見つけられるはず。

 私たちは、自分の意志の強さに応じて幸せになれるんですよ。それはステキなことだと思いませんか。あなたは自分の意志しだいで、いくらでもハッピーに生きていけるのです。
 そのことをしっかり胸に刻んで、2010年をいい笑顔で締めくくってください。

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Last Updated: 2010/12/07