エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.11
「なるようになる!」

Vol.11 「なるようになる!」

「なるようにしかならない」と言うのが口癖の人、いませんか? 私の知り合いにも、仕事の苦労、人間関係のこじれ、体調など、思うようにならないことがあるとすぐ「なるようにしかならない」と言う人がいます。

 あなたもこの言葉を頻繁に口にするほうですか?「なるようにしかならない」と言うと苦悩がなぐさめられるような気がするかもしれませんが、そこには大きな盲点があります。「自分の意思や力ではどうすることもできない」という、とても消極的なニュアンスの言葉だからです。

「なるようにしかならない」と言うと、胸のうちには「不満」と「あきらめ」が漂います。この言葉を頻繁につぶやくことは、「自分の未来は思うようにならない」とまるで"暗示"をかけるようなものなんですね。

 しょっちゅうつぶやく言葉は、知らないうちに『その言葉のニュアンス=言霊』が潜在意識に沁み込み、その人の行動に影響を与えます。別の言い方をすると、私たちの行動は口癖に影響を受け、口癖になっている言霊の明暗が人生の明暗を分けていくと考えてもいいくらいなんです。

「口癖は100%ポジティブな言葉にしよう!」と言うのはそういうわけです。自分の口癖に悲観的なものや消極的なものがないかチェックしてみましょう。もしそこに「なるようにしかならない」が入っていたら、さっそく言い換えてください。『なるようになる!』に。

 ふたつは似ていると思うかもしれませんが、言霊としては正反対です。『なるようになる』と言うとき、胸のうちには「受容」と「希望」があります。最大の違いは『たとえ自分の力ではどうすることもできない出来事でも、必ずベストの結果になる』という信頼感があることです。

 ベストというのは『今の自分には不都合に見えても、将来的には必ずいい結果になる』という意味。たとえば、病気、リストラといった事象から、裏切り、嫌悪といった感情の問題まで、それを「なるようにしかならない」と思えば、心は不満とあきらめに沈んで停滞してしまうでしょう。

 でも、そこで『なるようになる!』と思えば、この体験を好転材料にして前に進もうという積極的な気持ちが湧いてきませんか。積極的な気持ちは未来を信じる気持ちにつながり、未来を信じる気持ちは潜在能力を引き出し、潜在能力は知恵となってひらめき、ひらめきは新たな行動に火を点けます。

 何かに行き詰ったときには、『なるようになる!』と断言してひらめきを待ちましょう。この言葉には「身に降りかかることに愚痴を言わず、希望を持って積極的に生きるぞ!」という信念と決意が込められています。『なるようになる!』は、いつどんなときもあなたを応援してくれるとても温かい言葉なのです。

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Last Updated: 2010/11/07