エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.08
「お金のストレス」

Vol.08 「お金のストレス」

 食べるのには困らなくても人生を楽しむ余裕がない。お金のことを考えると不安で体調までおかしくなると言う人がいます。そういう人はお金の使い方より、心の使い方が問題なのかもしれません。『お金を使っている』のではなく、『お金に使われている』ことがストレスの原因なのです。

 でもあなたは「そうなってしまうのは、手元に十分な額のお金がないからだ」と考えますか? では、十分お金があれば心配はなくなるでしょうか? 私はそうは思いません。どんなに裕福でも『お金に使われている』限り、お金のストレスは消えないからです。 『お金に使われている』とは、お金が減るのが不安で楽しく使えないという、心の貧しい状態を言います。心を豊かにすれば、お金に振り回されなくなります。つまり、お金に囚われる心をなくすことが、お金に困らされる現実をなくすことなのです。

 なぜなら、目に見える環境(お金との兼ね合い)は、目に見えない心の環境(お金への想念)が表れたものだから。収入は同じでも、心の豊かさが2倍になれば幸福度は2倍に。逆に、心の貧しさが倍増すれば不幸度が倍増します。幸せを創造する力があるのは、お金ではなく心。絶対的な力があるのは、お金でなくあなた自身の想いです。

 お金を使うときには気持ちよく出す。お金を受け取るときにはありがたく受け取る。それができる自分になることが、心の豊かな自分になるということだと思います。すると、収入は変わらなくても、今よりずっと幸福感を味わえるようになるでしょう。

 惜しみながら使わず、気持ちとしては使えるお金があることを喜んでいさぎよく使えばいいんです。何も贅沢なものを買う必要はありません。いつもと同じスーパーで、いつもと同じ食材を買い、お財布からお金を出すときに「役に立ってくれてありがとう」と心の中で言ようにしてみてください。

 お金に対する想念が変わると、感覚が変化します。その結果、「お金は不安のタネ、困らせるもの」から「小額でも役に立ってくれる、ありがたいもの」になり、お金のせいで不安にさいなまれることがなくなるでしょう。

 私も自活してしばらくは、お金に使われていたように思います。いつもお金の心配ばかりすることに疲れ、お金を"不満の対象"から"感謝の対象"にするとコミットして意識を変えました。それからは、幸せを支えてくれるひとつの手段としてお金を使えるようになりました。

 今ではこんなふうに思っています。「お金は、少なくもなく多くもなく、そのときの自分に応じて必要な額がめぐってくる。大切なことは、いつも喜んで働きありがたく使うこと。あればあるなりに、なければないなりに」って。

 お金はだれにとっても大きな問題です。だからこそ、お金に対する想念をクリアにする必要があります。お金を「ストレスの元から幸せの元にする」。いつでも「感謝して使う」。この2点を明瞭にしましょう。

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Last Updated: 2010/08/07