エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.07
「心配しない癖をつけよう」

Vol.07 「心配しない癖をつけよう」

 物事が思うように運ばないと、イライラしたり不安になったりします。でも、四六時中心配事を抱えたままでいるのはしんどいもの。その状態が長引けば長引くほど、心身はどんどん磨り減って、生きることに疲れてしまいます。

 今、あなたが一番心配していることは何ですか。自分の将来について? 収入? 仕事そのもの? 人間関係? 結婚? 離婚? 老い?……心配のタネを取り除くためにどんな努力をしていますか? 

 心配のタネはひとつ消えても次から次へと生まれてきます。また、老いや死のようにあらがえないものもあります。だから心配のタネをなくそうとするよりは、心配する癖をなくそうとするほうが賢明な場合がたくさんあるのです。

 私は自分の体験からも、いつも心配するのは当たり前と思わず"心配しない癖"を身につけることをお勧めします。あなたは「そんなこと言われてもムリ」と思うかもしれませんね。でも大丈夫、これにはちょっとしたコツがあるんです。

 まず「今から1時間、心配しない」を実行します。心配がはじまったら「いや、こんなことは考えない、あと30分は」とか「まだそうなると決まったわけじゃない」と思い直して気持ちを切り替えます。次は半日。その次は1日。そして、1週間にチャレンジします。「今週いっぱい、心配はしない!」と言い聞かせてぜひやり遂げてください。

 1週間後に心配を解禁したとき、あなたは痛感するでしょう。「わざわざ心配して苦しむなんて、もういや」と。それだけではありませんよ。その1週間に「ラッキー!」と感じることが何か起こっていると思います。思考の変化にともなって放つエネルギーも変化したあなたは、すでに幸運の片鱗を引き寄せているからです。

 その幸運がうれしくて「もう1週間がんばろう!」とやってみる。忘れたころに心配する癖が顔をのぞかせたら「また1週間がんばろう!」とやってみる。これが"心配しない癖"を身につける方法なのです。何はともあれ、一生のうちのたった1週間を、あらゆる心配事を違う角度から眺めて心を治める練習をしましょう。

 以前、私は自分のことを心配性だと思っていました。「性格だから仕方がない」とか「人間はそういう生きものなんだ」と弁明して、逆に心配することにどっぶりはまっていたような気がします。でも、その大部分は、する必要のない"取りこし苦労"でした。

 心配して生きても、自分を信じて生きても、あなたの人生に変わりはありません。物事の結果を案じて生きるのはやめて、心配に費やすエネルギーをもっと建設的なことに使いましょう。あなたが本当に得たいものを得るために使いましょう。
『心配しないこと』を学ぶ。それは人生の大きな課題だと思います。「心配しない」ということは「自分に負けない」「可能性を信じる」「壁を乗り越える」「人生を切り開く」ということだから。心配しない力が創意工夫を生み出して、人生を幸運に導くのです。

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Last Updated: 2010/07/07