エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.02
「自分の中心を貫くもの」

Vol.02 「自分の中心を貫くもの」

「ブレないようになりたい!」という声をよく聞きます。自分がブレることで苦しみが生まれると承知している人は、意識の夜明けが近いと思います。暗闇を突き抜ける力は、「人生がうまくいくかどうかは自分の責任!」と自覚したときに芽生えるからです。

 少し前の自分を思い出してみてください。まだ真っ暗闇の中で右往左往していたころ。当時は、何かつらい目に遭うたびに「苦しいのは人のせい」「自分はまわりの状況の犠牲者」と思っていませんでしたか? 

 そう、あなたは確実に進歩したのです。今では、「自分がブレなければ、まわりにどんな人がいても、目の前で何か起こっても振り回されずにいられる」「いつでも自分の判断で進めば、納得して生きられる」「自分の意思を貫くことができれば、何か成し遂げられる」と確信しているはず!

 私もずいぶん長い間、暗闇の中でもがきました。夜明けを迎えてからも、ブレては戻り、ブレては戻りをくり返し、近年ようやくブレる前に何とか調整できるようになりました。ブレたら1秒でも早く中心に戻る。それはブレた自分を責めるよりずっと大切です。

 そのためには、自分の中心に戻る方法を見つけておくといいでしょう。たとえば、お気に入りの言葉、場所、音楽、人物など、それと触れ合うことで自分自身を取り戻せる何か。あなたが愛とやすらぎと勇気を取り戻せる刺激です。

 私にとってそれは"先人たちの言葉"、中でも古典は貴重です。心がザワザワするとそうした文献を読みあさり、「いつの時代も賢者はブレた体験から学び、己を磨いた」という真実に触れて勇気をもらいます。

『どんなに晴天を願っても必ず雨は降る。だが、永遠に降り続く雨はない』と言われるように、私たちはたとえ人生で不都合な雨に遭っても、自分さえブレずにいられたら、動転することもなく笑って雨をやり過ごせるようになるのでしょう。

 切磋琢磨して自分を磨き続ければ、いつの日にか、ゆるぎない安心と真の幸福を得られるようになる。そのために、あなたも私も必要な体験を重ねつつ、波乱万丈の人生を生きているのだと思います。

 ではここで、自分の中心軸を感じてみませんか。きっとあなたが意識を強化する助けになるでしょう。まずは静かな場所を選び、好きな姿勢で坐わって目を閉じます。心が静まったところで、頭の天辺からお尻まで"体を貫く一本の光"をイメージしてください。

 その光の線をゆっくりと下に伸ばしていき、地球の中心につなげましょう。その光は頭の天辺からも伸びて、大空に吸い込まれています。あなたは宇宙の一部……そのまましばらく、自身を貫く光の存在を感じてみましょう。

 そこが愛の源泉です。あなたが負った痛みは、愛から離れれば心の傷になりますが、愛に抱かれれば癒されていきます。思いがけない雨に遭って自分がブレたと感じたときは、この方法を使って中心に戻りましょう。

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Last Updated: 2010/02/07