エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.12
「美しい心を大切に!」

Vol.12 「美しい心を大切に!」

 人生で迷ったとき、こうすれば後悔しないという方法があります。それは、あなた自身が「美しい」と感じるのはどっちかを自分の胸によく聴いて選ぶことです。行動の基準を自らの"美意識"にするのです。

 美意識とは、いわば"良心(善の心)に基づく判断"のこと。普通はそれにしたがって動いた自分を、あとで責めて悔やむようなことはないと思います。別の言い方をすれば、エゴに翻弄されて動いた自分にゲンメツしないように、いつも美意識に問いかけて動くようにしましょう。

 そうすれば人生を納得して生きられます。ただし、一度「こうするほうが美しい」と感じたら、そこで迷ってはいけませんよ。人からどう思われるだろうと考えたり、面倒くさいなといういっときの感情に呑み込まれないで、感じた通りを実行します。

 まわりの人が何をささやいたって気にすることはありません。ましてや自分がソンするかもしれないとか、失敗するかもしれないと考え出すのは論外。人間関係でも、お金のことでも、迷ったら、とにかく"美しいと感じる行為"を選ぶことですよ。

 美しい行為は、愛されるあなたを創ります。――自分や人を懸命に励ます姿は美しいですよね。自分の夢を貫こうとする姿は? 何にでも感謝する姿は? 人にゆずる、人を立てる、人をほめる、人を労わって寄り添う、といったことはどうですか?……それをサッとできる自分がいることを忘れないで。

 反対に、美しくない行為は、あなたの幸せを遠ざけます。――暴力を振るう姿は美しいですか? 責任をなすりつける姿は? 陰口を言う姿は? 信頼を裏切る、嘘をつく、いじめる、感謝を忘れる、といったことは?……どんな理由があろうとも、美しくないと感じたことはやめる勇気を持ちましょう。

「性格は死ぬまで変わらない」と言う人がいますが、それは先天的な部分です。後天的な性格は、習慣や環境が作り上げるものなのでどんどん変化します。その過程で身につけた価値観が、その人の"生き方"として現れてくるのです。

 美しい心を重んじる人が、まわりに好かれないわけがありません。なぜなら、私たちは美しいものに触れると自分も気持ちがいいから。また、人間として何が大事かという原点にスッと返れるからです。無垢な幼子を見ていると思わず笑顔がこぼれるのも、同じ理由なんです。

 逆に、私たちが後悔するのは、我欲に打ち勝てなかったことを実感したとき。つまり、自らのうちにある美しい心を、醜い心よりも大事にできなかったときなのです。

 物事を「何が美しいか」で判断して進むならば、あなたは必ず自分の人生を肯定できるようになるでしょう。たとえうまくいかなかったときにも、後悔して荒れるのではなく、謙虚に自分が何かを学ぶ必要があると感じられるようになります。それは、とても美しい姿だと思いますよ。

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Last Updated: 2009/12/07