エッセイ
  (更新日:毎月7日)

Vol.11
「ほっこりしよう」

Vol.11 「ほっこりしよう」
Vol.11 「ほっこりしよう」

 私は10月25日に生まれました。誕生日には、自分が生まれてきたことを感謝して歩みを振り返ることにしています。今回は"自立"について思いを巡らせました。

 十代の後半から親に反発しはじめ、「自分は親とは違う。私は私の人生を生きたい!」と強く思うようになりました。これが"自分"に目覚めるきっかけとなって、以来、独自の夢を追いかけてはつまずき、また別の夢を求めては行き詰まり……そんなことをくり返して少しずつ「親離れ=自立」していったように思います。

 親への反発心が消えたのは随分大人になってから。自分を愛せるようになってようやく親の都合や気持ちを受け入れられるようになり、自分を生んでくれたことを素直に感謝できるようになったのです。

 もし今、あなたが親に逆らっていい関係を作れず、このまま心が通い合わないのはさみしいと感じていたら、一緒に考えてみましょう。 

 あなたは自分がだれかに「ありがとう!」と心の底から思えたとき、気持ちよくありませんか? それは心がほっこりするからだと思います。もし、家族の間でそんな関係を作ることができたらいいですね。

 もしかすると、親への感謝をはばんでいるものは、あなたの心にある"当たり前"という感覚かもしれません。「○○してくれたのは当たり前」と思えば、ありがたみは感じないし感謝の気持ちもわいてこないでしょう。

 ちょっと振り返ってみてください。あなたが生まれたときから身のまわりの世話をし、どこかに遊びに連れていってくれたり、学資や習い事の費用を捻出してくれたり、寝ずに看病してくれたのは、親なら当たり前だと思いますか? 

 これはあなたの価値観の問題なので、人の親と比べる必要はありません。では質問を変えましょう。あなたの幸せや健康を世界中のだれよりも案じてくれることは、親なら当たり前ですか? だったら、お日様があなたを温かな光で包んでくれることも当たり前? それらのことは、あなたにとって別段ありがたくもないことなのでしょうか……。

 すべての物事に対して「当たり前」と思ったとたん、その人の心は貧相になります。親を批判する前に、親がしてくれたことを当たり前と捉えるのをやめてみませんか。すると、「どんなに逆らっても、私に人生をつぎ込んで懸命に育ててくれてありがとう」という気持ちがわくかもしれません。

 親子の問題はどの家庭にも必ずあるものですが、私はそれを"必要悪"だと思っています。子どもはいつも親を鏡にして「自分はどういう人になりたいか。どんな人生を生きたいか」と考えはじめ、自立心に目覚めていくからです。

 そのことが理解できるほどに成長したあなたなら、今度は親を労わる番です。親を否定せずに、親を超えていきましょう。そのために、まずはあなたから感謝の気持ちを捧げてほっこりしましょう!

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Last Updated: 2009/11/07