(更新日:毎月7日)

Vol.02
「心」と「体」の親密な関係

Vol.02 「心」と「体」の親密な関係

「仕事がきつくて肩こりがひどい」とか「あのことを考えるだけで胃が痛くなる」といった表現を私たちは日常的によく使います。それは「心」と「体」は一体だということを認識している証拠だと思います。

 けれど現実問題として体の具合が悪くなれば、「困ったもんだ」と不服に思い、ままならない体を責め、仕方がないから対症療法をする、というのが一般的ではないでしょうか。

 心理学では、心(意識)と体の症状は関連していて『意識の葛藤が体に現れる』という発想をします。体調がくずれたときは、心(意識)の側から手当てをすることによって健康を回復できるはずと考えるんですね。

 対症療法は、確かに効果的でわかりやすく、即効性があるという点は非常に魅力的です。でも、それにばかり頼り過ぎないで、体に現れた症状を心の症状として観察していくと、潜在意識が投げかけた"別のテーマ"に気づくことができますよ。

「自分を知って、もっと心を開放する」という意味でも、本腰を入れて心と体の親密な関係に注目してみましょう。心の葛藤は、体の関連部位に不快な現象として現れてきます。代表的なものをいくつか挙げます。

・責任を負い過ぎている。途切れない緊張――肩と首筋
・自分をうまく表現できない。言いたいことが言えない。感情の抑圧――喉
・愛情の欠乏。孤独感。自信喪失。自己嫌悪――胸
・やりたくないことを我慢してやっている。自己欺瞞――胃
・極度の不安。恐怖心――下腹

 こうして照らし合わせてみると、自分でも思い当たることがけっこうありませんか? 体の症状を放っておけば体力が失われていくのと同じように、心の葛藤を放っておけば心は前向きな力を失って、ネガティブなものの見方をはじめます。

 その結果、人によっては「自分はこのままダメになる…」と将来を悲観したり、その感情を他者に投影して「あの人が私を追いつめてる」とか「みんな私が失敗すればいいと思ってる」といった被害妄想に陥る場合もあるんです。

 そんなことにならないよう、体の不具合は自分の内奥からの呼びかけととらえましょう。心は体の症状を通して"解決すべきテーマがある"と訴えかけています。たとえ、あなたの顕在意識が「私にはそんなテーマは関係ない」と否認したとしても、あなたの潜在意識はそのテーマの存在を教えようとしているのです。

 そのときどきのテーマに気づき、自分がするべきことを把握する"有効な問いかけ"があります。心身に不快感があったら、一度試してみてください。それは、『このイライラや憂鬱な感じがなくなるように、私は自分に何をしてあげたらいい?』

 もしかすると、こんな答えが返ってくるかもしれません。「ちょっと気を遣い過ぎ!」「ひとりでそこまでがんばらなくてもいいよ」「倒れたらなんにもならないから、休もう!」…

 そんな心の声にちゃんと耳を傾け、何らかの手を打つようにしていったら、あなたはきっと"心身からの返礼"として快適な自分でいられるようになりますよ。

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Last Updated: 2009/02/07