(更新日:毎月7日)

Vol.09
「何に囲まれて生きてますか?」

Vol.09 何に囲まれて生きてますか?

 幸せとは、「お金以外の"自分にとって価値あるもの"に囲まれて暮らすこと」だと思います。それは愛する人や家族、ペットだったり、思い出の品々や趣味の道具だったり、あるいは好きな仕事そのものかもしれません。

 自分のまわりに価値あるものが増えていけばいくほど、幸せはふくらむはず。でも、感情はめまぐるしく変わるので、ときには家族をうっとうしく感じたり、趣味に物足りなさを覚えたり、仕事がいやになることもあると思います。

 そう考えると、幸せとは、金品や他の人が作り出せるものではなく、自分の心が生み出すもの。つまり、"自分にとって価値あるもの"とは、自分の心からあふれる喜びそのものだということに気がつきませんか?

 その喜びをいつも感じて暮らせることが幸せなんです。その喜びをいつも感じて暮らすヒケツはどこにあるのかというと、それは、あなたが何に対しても"感謝の気持ち"を持つことです。

 じゃ、何に対しても"感謝の気持ち"を持つヒケツはどこにあるのかというと、それは、あなたが"向上心"をなくさないことなのです。

 向上心があれば、どんな目にあっても、被害者意識に陥らずに生きていけるから。「必ず自分のためになることがこの体験の中にあるはず」と考えられる人は、必ず気づきを得ることができるからです。

 すると、気づいたとたんに、加害者のように見えた相手が「自分に大事なことを知らせる役を担ってくれた貴重な人」に変わります。だから自然に感謝できるんですね。

 私は人間関係で悩んだとき、『人生は、自分が成長していく過程をリアルに体験する物語なんだ』と思いました。脚本と演出を担当するのは、成長を願ってやまない私の魂。私は喜怒哀楽の物語に体当たりで挑んで、大泣きもするけれど、この物語がハッピーエンドだということを知っています。最期の台詞は「私は精一杯生きた!ここまでこられて幸せだった!」+アドリブ。

 そう思うと気持ちがラクでした。そして、迫真の演技で憎まれ役を務めてくれた人を、ありがたい存在と思えるようになっていきました。こうして私は、現場から逃げ出すこともなく、多くの人から人間について学び理解を深めていったのです。

 自分のことをきちんと理解すれば、自分を活かすことはむずかしくなくなります。自分のワクワクすることを大切にして、いつのまにか、生きる喜びを感じられるように人生を持っていくからです。

 喜びと感謝はワンセット。それを特別なものにだけ見出そうとしないで、いつもまわりに当たり前にあるものの中に見出してください。青空を見ても、花を見ても、人を見ても、無感動でいたらもったいない。少しでも多くのものを"自分にとって価値あるもの"にして生きていきましょう。それがあなたの心力であり、その心力が幸せを呼ぶのです。




"慎独"(しんどく)という言葉があります。

辞書には「自分ひとりだけで他人の目がない時でも、身を慎み、道にそむかないように心がけること。また、常に自分の心中に注意をはらい雑念が起こらないようにすること」とあります。

独りの時間をどう過ごすか。その過ごし方の違いが、人生ではやがて大きな差となって現れます。
毎日を無為にやり過ごすことなく、よき種を播き続けてゆきたいものです。

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Last Updated: 2008/09/07