(更新日:毎月7日)

Vol.06
「快適に生きていくために」

Vol.06 快適に生きていくために

 仕事熱心というと聞こえはいいのですが、あなたは必要以上に仕事に身を投じてボロボロになっていませんか? 心身ともに疲れて、どこかにむなしさを感じていませんか?

 そうかもしれないと思ったあなた、過酷な労働を自分に課して、やめたくてもやめられない心境、いわゆるワーカホリック(仕事依存症)に陥っているかもしれません。その心の背景には"罪悪感"が潜んでいる場合がよくあります。

 罪悪感に突き動かされると、無意識のうちに「自分はよくない人間だから、がむしゃらに働いて罪を償わなければならない」「自分は人より劣るから、うんと働かなければ申し訳ない」という感情に駆り立てられて、お金を必死に稼ぐことで自分の罪悪感を穴埋めしようとします。

 ところが、過酷な労働自体は本心から望んでいることではないので、いずれ気力は燃え尽きて心は崩壊していきます。それがうつ病を招くこともあるのです。

 罪悪感を抱くきっかけは人によって違いますが、幼児体験に限らずとも、日常的に罪悪感を感じることは避けられないと言ってもいいくらい、それは簡単に人の心を支配してしまうもの。

 たとえば、自分のミスで会社に損害を与えた。好きでもない人と付き合った。浮気した。人に暴言を吐いた。嘘をついた。遅刻した。子どもに暴力を振るった…といったことで。あなたも思い当たることがありませんか?  

 そういうとき、人は罪悪感を感じている対象を避けようとしたり、相手の機嫌をとって埋め合わせしようとしたり、逆に居直って「悪いのはそっちだ」と責めたりします。しかし、どんな態度をとってみても、心が平穏になることはありません。

 たとえ機嫌をとって相手が喜んでくれたとしても、罪悪感から尽くすのは"愛から"とは違うので、相手が真に満たされることも、本人の心が弾むこともないでしょう。罪悪感に心を縛られている以上、私たちは何をしてものびのびとハッピーにはいかないのです。

 あなたがとても仕事熱心だとして、今その自分を心からステキだと思えますか? 重要なことは、今の仕事をあなたがステキに気持ちよくやれているかどうかなんですね。

 あなたは今、働くことが楽しいですか? どんなに大変でも、目標に向かってワクワクしながら仕事ができていますか? YESなら問題ありませんが、NOならば、知らないうちに心が罪悪感に縛られているかもしれません。

 だったら、それを一日も早く解き放ちましょう。あなたが働くのは「だれかの犠牲になるため」でも「罪悪感を軽減するため」でもないはず。「すべては自分が快適に生きるため」だということに気づいていることが大切です。

 あなたの価値は、ボロボロになって働かなくてもちっとも減りませんよ。これからは、もう追われながら仕事をするのはやめましょう。何事もかならず"楽しむ"心のゆとりを、まずとり戻してください。それさえなくさなければ、いろんなことがもっと快適に気持ちよくできると思います。

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Last Updated: 2008/06/07