(更新日:毎月7日)

Vol.10
「自分を愛する練習」

Vol.10 自分を愛する練習

 みなさんは"シンデレラコンプレックス"という言葉を聞いたことがありますか?心理学の用語で、結婚前の女性に見られるシンデレラ願望のことをいいます。

 女性ならば大なり小なり「王子様のようなステキな男性にプロポーズされたい。その人はかっこよくてやさしくて、頭もいいしお金持ち。そんな理想の男性に心から愛されたい」とあこがれますが、問題はその陰に潜むものなんです。

 女性の潜在意識に「自分は美人でもないし、ちっぽけでつまらない人間。自分にまるで自信がない」というコンプレックスがあると、「王子様のような完璧な男性と結婚したい。そうじゃないと私は幸せになれない」という心境になりやすいんです。

 逆にいうと、女性に「自分で自分を幸せにする自信」があれば、結婚相手に求める完璧さや依存度はもっと減るでしょう。これは恋愛相手に限りません。

 あなたがだれかに「こっちを向いて!私を愛して!!」とすがりつきたいとき、あなたは自分を愛せなくて苦しんでいるのです。自分が自分を粗末に扱っているから、いっそうだれかに大事にされたいと願うんですね。

 でも、欲求にはオワリがありません。食欲と同じで一時的に満たされたとしても、またすぐに空腹を感じます。そのたびにだれかにすがっていたら、頼られる方もうんざりしてしまうでしょう。

 そんな悪循環にはまらないように、「深い部分で自分の欲求を満たせるのは、本当は自分しかいない」ということを覚えておいてください。 「だれかが私を幸せにしてくれる」という幻想を追いかけるのはやめて、自分で自分を幸せにするという意志を強く持って「自分を愛する練習」をはじめませんか?

 自分を愛するということは、自分を幸せにしてあげるということ。たとえいっときでも、自分をワクワクさせて楽しませたり、心をほっこりさせて安らがせてあげましょう。

 もし休日に自由な時間ができたら、自分の心にやさしく尋ねてみてください。「私が今すぐできることで、あなたを幸せな気分にしてあげられることは何?」って。

 答えがすぐに返ってこなくても根気よく待ってあげて。あなたの心は、そんなふうにやさしく扱われることに慣れていなくて戸惑っているのかもしれませんよ。

「コーヒーが飲みたい」「好きな音楽が聞きたい」「ちょっと体を動かしたい」…といろいろ出てきたら、気軽にできそうなことからやってあげたらいいんです。  大切なことは"真心を込める"ということ。どんなささやかな望みでも、温かく受けとめてきちんと応えてあげること。それが愛です。

 だから、返事をするときは「わかった、うーんとおいしいコーヒーを入れてあげる!」「わかった、今の気分に最高の選曲をしてあげる!」「わかった、今から散歩に連れ出してあげる!」というふうに意志を明らかにしてあげてくださいね。

 心が満足すると、気分がよくなります。それを毎回確かめながら「自分を愛する練習」を積み重ねていけば、自然に人を愛する方法もわかってくると思います。

| ホーム | | エッセイ | ボイス・レター | ねっとカウンセリング | みんなの広場 |
| Booksコーナー | 講演依頼 | お知らせコーナー | プロフィール |

Last Updated: 2007/10/07