(更新日:毎月7日)

Vol.4
「出会いとは…」

Vol.4 出会いとは…

 私たちはこれまでの人生で、多くの人と出会い、また多くの人と別れてきました。特に春は、1年のうちでも新しい出会いが増えるとき。こうした人生の出会いにはどんな意味があるのでしょうか。

 過去を振り返ってみると、出会えてよかったと感じる人と、できれば出会いたくなかったと感じる人がいると思います。その違いは、あなたに喜びを与えた人と苦痛を与えた人ではありませんか?

 人生である人に出会う″ということはその人が自分にもたらす影響と出会う″ということ。それは、その人の価値観、美しさや痛み、純粋さや怒り、その他もろもろ…同一人物でも状況によってもたらすものは変わります。

 それらすべてを自分にとっていいもの″に変えていくには、相手が差し出すものを、それが不快でも楽しくても、ありがたくてもムカついても、そんなことはおかまいなしに一回きちんと受けとめる(自分が消化する)ことなのです。

 勝手に「なんて不快な人!」とか「それは間違っている」と審判をくださないで、「この人は今、怒りをぶちまけずにはいられないほど苦しんでいる」と、その状態をただ認めてあげる。認めてあげることと賛同は違うので、相手がその感情を表す自由をただ承認してあげればいいんですね。

 相手が喜んでいる場合も同じです。「よかったね」と心から共感してあげましょう。喜びの感動をシェアすることが大切。自分と比べて妬んだりバカにしたりという不要な感情を持ち出す余計な作業″を絶対にしないことですよ。

 出会う人は「自分に影響をもたらす何かを提供してくれる人たち」と考えて。たとえその影響が心の痛み″になっても、相手そのものを恨む必要はありません。なぜなら、その人は人間としての器を大きくするための材料″を与えてくれたのだから。

 あなたが望まないつらい材料がもたらされることは、本当は喜ばしいことなんです。その材料がなかったらあなたは成長できないし、逆に真の喜びや感動をわからずに終わってしまうから。その視点から、出会う人たちを眺めてみましょう。

 私たちは悲しんだり傷ついたりしながら、自分が秘め持ったものを深く知っていきます。そうやって自分を理解していくことが、人間を理解していくことにつながるのです。その意味で「人はみな自分の鏡」。ある刺激を受ければ飛び出す感情、傷つけば抵抗したり反省したりする気持ちなど、心の作用は人類共通の「そう反応する仕組み」に基づいているからです。

 それを踏まえて、かつて出会った人があなたの心に残した材料を「すべて自分の課題」と思って消化していくと、つらい出会い″をありがたい出会い″に変えられます。

 その結果、過去のとらわれから解放されて心が自由になり、自分に対しても人に対しても真の理解が生まれるんですね。その力をつけて人と触れ合うことを大いに楽しみ、人生をありがたい出会い″のオンパレードにしてください。

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Last Updated: 2007/04/07