(更新日:毎月7日)

Vol.6
感じるVS考える

Vol.6 感じるVS考える

 情報社会といわれる昨今、ネットや雑誌などからさまざまな情報を得ている人は大勢います。けれども、「情報満載の人と話すのは有効か?」と聞かれたらYESだけど、「話していて楽しいか?」と聞かれたら、YESといえないときがありませんか?

 では、立場を変えて質問しましょう。あなたは会話をするとき、「自分が得た情報」と「自分が感じたこと」のどちらを多く口にしていると思いますか?

 実は、「自分の感じていることがわからない」とか、「自分にはこれといった意見がない」 と訴える若者が近年増えているのです。

 それでも、社会人としてのルールをわきまえて仕事に必要な言葉を承知していれば、社内でのコミュニケーションには支障をきたさないでしょう。そういう人は、"考えること"は得意だからです。

 問題は、本来なら"感じること"までを「どう感じるべきだろう?」と考え、「ここはうれしいはず」「今は悲しいはず」などと無意識のうちに判断して過ごしていることにあります。

"感じること"が下手な人は、自分の感情に気づけません。それは「自分の意見がない」ことを意味し、それゆえに「自分を解放することができない」のです。

 当然、他人の感情にも気づけないために、人間関係は表面的なものになります。常に相手の様子をうかがって、相手を満足させる"他人の考え"(情報)を提供することで、自分の居場所を確保しようします。

 ようするに「自分の意見がない」ということは、「自分を押し殺して生きる」ということなんですね。だから、人間関係に疲れて人とかかわるのが苦痛になっていくのです。

 この現象は、幼いとき親から「どう感じる?」と聞かれたことが稀で、「こう考えなさい」と押し付けられて育った人によく見受けられます。感じる力を培えなかったのです。

 もしあなたが「自分にも当てはまるかもしれない…」と思ったら、これからは"感じること"を意図して行動するよう心がけましょう。

 どんなどきも、自分の感情がないということはありえません。ひとりでいるときに「今、どう感じた?」「それで、どうしたいと感じてる?」と自分に尋ね、考えて答えないで、感じて答えるように仕向けます。

 少し慣れてきたら、友人と話すとき"自分の意見"(感じていること)をいってみてください。それがあなたの自己解放につながるから。そういうあなたに興味を示さない相手は、単に情報がほしいだけで真の友人とはいえません。

 きっとあなたは、「自分が他の人から受け入れられる」とはこういうことだったのか…と新たな発見をし、今まで知らなかった安心感を抱くでしょう。

 人々が触れ合いたいのは、情報マシンのあなたではなく、生々しい人間のあなただということを忘れないでください。情報に関連して"自分の意見"を語ってこそ、あなたの会話は楽しく魅力的になるんですよ。

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Last Updated: 2006/06/07

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