(更新日:毎月7日)

Vol.4
自分の環境を作る!

Vol.4 自分の環境を作る!

 4月になっても、書斎の窓からはなごり雪が見えています。冬の積雪が1メートル半という黒姫に移り住んで1年4ヶ月。なんとか無事に、2回目の春を迎えようとしています。

 季節が一巡するまで、主人ともども初めての田舎暮らしに勝手がわからず、予想外のことに面くらって、"ときの流れ"についていくのが精一杯でした。

 まあ、珍しい出来事の連続で興味深い体験なのですが…たとえば、「水道管が凍って朝から水が出ない。どうやって生活する?」「ブヨ(1週間くらいかゆい)に畑で刺され続ける。どうしよう…」「いつなにを準備すれば、季節に間に合うの?」といったこと。

 私は基本的に、なにがあっても"笑っちゃう"性分なので、水道管が凍れば「雪を溶かそうか」「お風呂の水を使おうか」と考えて、とにかく置かれた状況を困らないでおもしろがることにしました。

 その根本にあるのは、『食べるものがなくなったら食べなければいい』という発想です。窮地に追い込まれたとき、「いやだ、不幸だ、残念だ、不本意、妬ましい、不安!!」と自分を追いつめていくと、本当に苦しくなって身動きがとれなくなります。

『食べるものがなくなったら食べなければいい』というのは、『死ぬときがきたら死ねばいい』に通じていて、「常に自分のできることに手を抜かず、置かれた環境そのものを"人生"として受け入れる」という考え方です。私はこれを禅に学びました。

 ところで、「環境によって人は作られる」といいますが、「ひとりひとりの心が環境を作る」ということも忘れてはならないと思います。人の幸不幸や栄枯盛衰は、環境以前に"心"によって決まるからです。

 人間には、すばらしい自然の中にいて、その恩恵に感謝しないで平気で自然を破壊する心もあれば、コンクリートジャングルにいて、一輪の花に心をなごませ自然のいのちに敬意をはらう心もあります。

 あなたの目に映っている環境は、あなたの心の反映なんですね。その筆頭が、まわりにいる人たち。あなたが人にイライラすれば、環境への嫌悪が増すでしょう。逆に人に感謝すれば、環境そのものをありがたく受けとめられるでしょう。

 環境は、その日のお天気のように「ただそこにある」ものなんです。空模様にいちいち好き嫌いや文句をいってもはじまらないでしょう?

 だから、どんなお天気も楽しめる人、あるいは「自分にはどれも必要な体験」と一目置ける人になることが大切です。そのほうがずっと快適に暮せると思います。

 物理的に環境を変えることにも意味はあるけれど、幸せの主導権を握っている"心"が変わらなければ、どこへいっても不平不満の人生から抜け出すことはできません。

 まずは、今目の前にある環境を、心の中で"お蔭さま"に変えてしまいましょう。「すべてが、自分を鍛えあげてくれる先生」と思って。

 その上で、「次はこんな環境で暮す!」とイメージして生きていけば、あなたのベストタイミングで願いが叶いますよ。

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Last Updated: 2006/04/07

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