(更新日:毎月7日)

Vol.3
失恋したあなたへ

Vol.3 失恋したあなたへ

 先日、オーストラリアに住む25歳の女性、Aさんから手紙を受けとりました。そこには失恋の痛手がつづられていました。お付き合いをしていた男性に、なんと妊娠中のフィアンセがいたことを知って別れたのでした。

 Aさんは嘘のつけない性格だからこそ、彼に嘘をつかれていたことに大打撃を受け、また自分は彼のなにを理解していたつもりだったのかと落胆しました。彼からは、「人には難しい事情があることもある」というメールが最後にきたそうです。

 Aさんがこのエッセイを読んでくれることを願いながら、Aさんと似たようなケースで傷つき失恋したあなたに向けて書きます。

 好きな人にずっとだまされていたことがわかったときの衝撃は、"相手への怒り"と"自分自身への情けなさ"が入り混じって耐えがたいものです。私も経験者なのでよくわかります。

 今だからいえるのは、「それでも、だますよりだまされる側でよかった」ということです。

 自分に好意と信頼を寄せている人をだまし続けられるのは、それだけの人間だと思います。そこには、自分と同じように相手のことを考えて、敬意を払う誠実さもなければ、だまされていたと知った相手がどんなに傷つくかという想像力もないからです。

 事実が明るみに出たとき、罪の意識があれば、平身低頭であやまるかもしれません。でも中には、それを相手のせいにして居直ったり、平然と自己弁護する人もいます。

 Aさんの場合もそうですが、もし恋愛相手がそういう人だったときは、「この恋の卒業式!」と腹を決めて、きっぱり未練を断ち切りましょう。

 傷ついた心が憎しみに走らないように、自分を抱きしめて「だまされる側でよかったね」といってあげて。男性不信に陥らないように、自分を励まして「これで男を見る目ができたね」といってあげて。

 いっぱい泣いたら、いつまでも"嘆き"を引きずらないことです。嘆きはたちまちボヤキになって、あなたの力をどんどん奪っていくから。相手のことも自分のことももう責めないで、一日も早くその体験から学んで大きくなることを考えましょう。

 私はよく「自分に必要のない出来事は、人生に起こらない」といいますが、あなたが生まれてきたこの世界を「人生学校」と考えれば、"失恋"は必須科目です。

 どんな目にあっても、人生学校の正解は「相手を憎むこと」ではありません。自分にとっていちばん苦手なつらい出来事を、胸を張って「超えていくこと」なんです。

 自分の心をいじけさせないで希望に向かって歩き出せば、あなたはかならず輝きを取り戻します。その輝きは、以前とは比べものにならないほどスケールが大きくなっています。

 それで、次の"よりいい恋"に出会えるんですね。だから、なにも悔やむことはありません。人生学校には、"しないほうがよかった恋"なんてひとつもないんですから。

 そう思って進んでいったら、自分をそこまで成長させてくれたすべての出来事に感謝したくなるような"幸せ"に、必ずめぐり会えますよ。

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Last Updated: 2006/03/07

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