(更新日:毎月7日)

Vol.2
愛について <その2>

Vol.2 愛について <その2>

<その1>は、バックナンバー2005年のVol.2です。その中にあった次の言葉について、もっと詳しく知りたいという声をいただいたのでお応えします。

どんな約束も、相手にいっさい求めないのが愛だから。どんな理由があっても、相手の自由を妨げないのが愛だから。愛する人への最大のプレゼントは、「あなたを必要としないだけの力と強さ」を与えてあげることです。

 これを読んで腑に落ちないという人は、恋人から「いつも必要とされたい」という気持ちは素直な"恋心"だし、恋人がいろんな約束をしてくれるのは"愛の証し"だと思っているからでしょう。

 でも、恋心は"熱情"で、それはまだ"愛"になっていないんですよ。

 あなたが恋に落ちると、欲望がわいて「独占欲」が生まれます。恋人に、嫉妬心や干渉したい気持ちを抱くのはそのためです。これが高じると、どんどん相手の自由を奪っていきます。

 愛はというと、「自分を犠牲にしてでも、相手のためになることをしたい」という気持ち。いわば「奉仕欲」です。当然のように相手に尽くすけれど、見返りを考えないで尽くすから"愛"なんです。

 もし見返りや約束ごとを願えば、"恋のかけ引き"に過ぎなくなってしまいます。

 あなたが、自分の中に愛を確立するまでは「恋心と愛」が入り混じって当然です。だから「恋愛」っていうんですね。恋愛中は、情熱的で刺激的で楽しいけれど、その一方で、無償の愛に目覚める最高の機会でもあるんです。

 だけど現実は、情熱に振り回されて「恋が色あせると関係が終わる」恋人たちが大勢います。恋愛中に愛を育てることができなければ、結婚しても幸せは続かないでしょう。

 愛とは「自己犠牲の精神」と書きました。それは「自分のことよりも相手の幸せ」を先に考える心です。相手のためなら自分の時間とエネルギー、つまり"いのち"を喜んで差し出せる覚悟でもあります。

 ところで、私たちみんなが精神的に得たいものはなんだと思いますか? それは「自信」と「めげない心」です。それさえあれば、どんな人生も切り開いていけるから。

 だから、相手があなたと付き合っていく中で、「あなたを必要としないだけの力(自信)と強さ(めげない心)」をつちかえるように手伝ってあげることが、本当の愛なんです。

 逆を想像すると、わかりやすいと思います。もしあなたが、相手から頼られたくて「自信が持てなくて、すぐ弱音を吐く恋人のままでいい」と考えたとしたら、そこに愛はありませんよね。

 あなたの深い愛を感じながら、「自信力とめげない自分」を手に入れた相手は、かけがえのないあなたを一生守りたいと思うから安心してください。これが、愛し合うふたりの姿なのです。

 愛は本来、理屈じゃなくて実践であり、実感です。でも、あなたが先に「愛じゃないもの」に気づいていることは大切です。きっと"愛の自分"に目覚める近道になると信じています。

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Last Updated: 2006/02/07

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