(更新日:毎月7日)

Vol.3
"いい関係"を保つヒケツ

Vol.3 [いい関係]を保つヒケツ

 仲のよかった友だちが、だんだん嫌いになっていく…。別にケンカしたわけでもないし、何か問題があったわけでもないのに、自分でも「どうしてなんだろう?」と思っているうちに、どんどん心が離れていく。そんな経験はありませんか?

 そういうとき、「決定的な理由は思い当たらない」と思っている自分の心をのぞいてみると、その友だちの些細な態度に、心の片すみでショックを受けていることがよくあります。

「あのとき、本当はこうしてほしかったのにしてくれなかった」という気に入らないことがジワジワ積もって、「もういい。もう知らない」という気持ちになっているんですね。

 そのまま"いい関係"を継続できなくなるとしたら残念に思います。また、同じようなことを繰りかえさないためにも、そうなってしまうわけを探ってみましょう。

 まず、先の状態に当てはまるような友人か恋人、もしくは家族を思い浮かべてください。
次に、あなたが許容しているつもりで実は「気に入らないと感じていること」を思い出しましょう。

 実は、問題はその「気に入らないこと」にあるのではありません。それよりも大切なことを忘れている「あなた自身」にあるのです。それはこういうことです。

 仲がよかったということは、これまでにいろいろ「してもらったこと」があるはず。物理的なことから精神的なことまで、楽しい時間を提供してもらったり、助けてもらったりしたことがあると思います。

 あなたがその関係にすっかり慣れて、「してもらうこと」を当たり前のように思ってしまうと、知らないうちに「自分は特別に扱われるべき」という意識を抱くようになります。

 なぜなら、あなたには「自分も相手を特別に扱うつもり」があるから、当然のなりゆきとしてそう思ってしまうわけです。

 ここが問題! 自分と相手は同じではないのに、同じであることを期待して、しかも同じと思う自分を正当化してしまうために、ちょっとした「期待はずれ」にあうと大きな違和感を感じるのです。

 この機会に、周りの人たちとの関係を振り返ってみませんか。あなたは日頃、相手が「してくれなかったこと」ばかり覚えていて、相手に「してもらったこと」をすっかり忘れてはいないでしょうか…。

 これからは、相手の「気に入らないこと」が頭に浮かんで不満が頭をもたげたら、その人から「受けとったもの」を意図的に思い出すようにしてみてください。

 さらに、期待するのは自分の勝手であって、その人には振る舞いたいように振る舞う自由や、表現したい形で友情を示す自由があることも考慮しましょう。

 すると、あなたの中に寛容な心がよみがえって、結果的に不満から解放され、あなた自身が楽になると思います。たとえ将来、その人と疎遠になったとしても、きっといい思い出だけを残すことができますよ。

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Last Updated: 2005/3/07

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