(更新日:毎月7日)

Vol.9
弱点のあつかい方

Vol.9 弱点のあつかい方

 ある人が、「自分は気ままでわがままなところがあってイヤになる」と落ち込んでいました。「成長するためには、この『気ままでわがままな自分』を何とかしなくちゃならない」と悲しそうにつぶやきます。

 確かに、自分を成長させたいと熱心な人は、弱点を克服しようという気持ちが強いので、それができないと自分にイラついて、それを指摘されると相手にムカツク…といったことがよく起こります。

 その人はさらに、「自分と上手につき合う方法は、勉強して頭にいっぱい詰まってるのに、実生活に活かせない。わかってるふりをする自分と、気ままでわがままな幼い自分に嫌気がさす」といいました。

 たぶん、みんな「自分が情けない」という感情は体験しているし、「このままの自分では成長できない」と暗い気持ちになったこともあるでしょう。

 私も苦い経験を幾度も味わってきて、今思います。弱点を変えようとするのは方向が違っているかもしれないって。

「気ままでわがまま」を弱点と感じるのは、日頃はそうじゃない自分がいる証拠なんです。
その人が、年がら年中気ままでわがままじゃないからこそ、それが引っかかるんですね。

 かといって、たえず自分を監視して、「〜ではいけない」といって生活していたら、息苦しくなって当然です。私たちは、自分のうちがわに否定するものを抱えた状態で、幸せに生きていくことはできませんから。

 大切なのは、気ままでわがままじゃない自分、ようは「自分が認められる自分」のほうに意識を向けること。弱点の対極には、必ず「自分のいいところ」があります。そっちをより伸ばそうとして生活するほうが、成長の近道なんです。

 忙しいときほど自分を見失いがちだけど、そのとき味わう不快感は軌道修正のチャンス!自分に愛が流れれば、自然に不快感は消えますから、これからは「自分が認められる自分」、この場合、「責任感に満ちたやさしい自分」に磨きをかけようと決意しましょう。

 いつも「責任感に満ちたやさしい自分」に意識を向けていれば、「気ままでわがままな自分」が顔を出しても、笑っていられるくらい余裕が持てるようになります。

 自由奔放さは、責任を果たさない欲求不満の人が放つと「気ままでわがまま」になって相手を不快にしますが、やることをやって迷惑をかけない人が放てば「無邪気」になって相手を不快にしません。

 その無邪気さを「子供みたい!」とからかわれながら、「いつくになっても、ものすごく大人で、子供みたいな人がいいナ」と私は思います。魅力的な人って、両方のバランスが見事にとれているという気がするのです。

 自分のことを「気ままでわがままかも…」と思ったら、体制を立て直して「無邪気」に移行したいですね。

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Last Updated: 2004/09/07

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