(更新日:毎月7日)

Vol.13 まだしてない体験

 動物には、成長の途中で脱皮する種類がたくさんあります。特にヘビは顕著です。体の表面を保護しいるクチクラと呼ばれる堅い皮が、成長の妨げになってくると、脱ぎ捨てて下に新しい皮を作ります。

 その様子から、「古い考えから抜け出す」ことを「脱皮する」といいます。古い考えとは、もうその人に必要でなくなった価値観のこと。

 あなたには、ずっと脱皮できないでいることはありませんか? やめたいのにやめられないとか、始めたいのに始められないでいることで、あなたの生活に変化をもたらすことです。

 口では「変わりたい」と言いながら、実際には変わることを自分に許してなかったり、変われるチャンスを無視して、愚痴ばかり言っているあなたがいないでしょうか?

 他人が勝手に作り上げた「あなたのイメージ」を、「裏切ってはいけない」と思い込んで、また「これが自分なんだ」と決めつけて、「簡単には変えられない」と信じ込んでいませんか?

 どうして自分が変化していくことをはばむのか、その原因を追求してみましょう。

 心はあなたの価値観の中に住んでいて、いわば、そこは慣れ親しんだ我が家。何かと不満は多くても、そこにいるのは「楽チン」なんです。だから、なかなか引っ越せません。

 そこを引き払って変化するのは「勇気」がいるし、よくなるという保証をしてくれない限りおっくうで恐いんですね。しかしそれでは、「生き物は成長するために変化を続ける」という自然の摂理に反するから、心はしだいに追い詰められて苦しくなります。 「幸福になるために必要ではない価値観」を捨てる勇気を持ちましょう。

 ヘビなら、そのまま死んでしまうところです。脱皮できないヘビは死ぬしかないから、ヘビは必要でなくなった皮を命がけで脱ぎ捨てるのです。

 ヒトの一生は、不満にむしばまれた心を仮死させた状態で生きるのか、勇気を振りしぼって脱皮しながら変化を受け入れて生きるのか、常に道はどちらか1本です。

 脱皮とは「まだしてない体験」を受け入れること。あなたに与えられた知性は、成長しない言い訳に使うためにあるんじゃない。脱皮するためにあるんです。

 だから、自分に勇気を与えるために知恵をしぼってください。まだしてない体験のむこうに、あなたの知らない幸福がいっぱいあることを信じて。

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Last Updated: 2003/11/07

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