(更新日:毎月7日)

Vol.12 そのまんまが最高!

 去年離婚して、その後本格的にダンスの教室を始めた女性から相談を受けました。

「なんとか初年を乗り切れたのでお礼の会を開くんですが、どんな挨拶をしたらいいでしょうか?」

「1年目の自分だから体験できた感激や戸惑いがあったでしょう。また今、振り返って感じることがいろいろあるはず。そんな思いを正直に伝えるのが一番ですよ。カッコつけてお決まりの挨拶をしたところで、聴く人の心には響きませんから。真実以上に、相手の胸に響く言葉はないんです」

 私はそう答えながら、彼女に、いつもありのままの自分で生きていくことの心地よさと大切さを実感してもらいたいと心から願いました。

 自分を愛することの第一歩は、背伸びをして大きく見せることではなく、「あるがままの自分にOKを出すこと」です。

 今の自分が未熟だろうが少々抜けていようが、ありのままの自分を認めて応援できなければ、そこから先へ自分をいざなうことができません。あなたが「まだ未熟」と決め付けるのは、人と比べるからです。

 あなたは、今あるがままの自分以外の何者でもない。それが、「この世でたったひとりの自分が今生きている」という事実です。それを自覚することで、自愛が生まれてきます。

 1年目には1年目にしか味わえない体験があって、それは2年目とは絶対に違うから、そこにある世界を慈しんで素直に受けとめること。そこに価値を感じて生きていくことが大事。

 そうでないと、目の前の体験から気持ちがそれて、比較の渦の中で他人の評価に振り回されることになるから。そこで多少の優越感を得たとしても、それはうたかたの満足だから長くは続かないし、そのうち自分を見失って焦り始めるのがオチです。

 このことは、人生のすべてに当てはまるんですね。人生〇才の味わい、〇年目だからいえること、〇年目だからまだわからないこと…。そうした今のキャリアでしか味わえないあなたの真実が、今のあなたの財産なのです。

 その財産は、いつだって最高に輝いています。1年目の輝きと、10年目の輝きは違うけれど、そこに優劣はありません。

 同じように、ひとりひとりが体験する財産にも、その味わいという意味で優劣はありません。しかも、その人なりの○年目の体験ができることにおいて、全員平等です。

 いいも悪いもなく、今ある体験は今しか味わえないことを熟知して、あなたの目の前に繰り広げられる人生模様を満喫しませんか?

 それが、悔いを残さないで生きること。つまり「今を生き切る」ということだと思います。

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Last Updated: 2003/10/07

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