Vol.9

だれかを好きになったら




 7月初めに出る新刊の見本ができあがってきました。手にとり、しみじみと表紙をながめて1枚ずつページをめくる瞬間、書き手としてはたまらない昂揚感と幸福を感じます。自分の思いが多くの人に助けられて一冊の本になったことに感謝し、また、その本が縁ある見知らぬ人のもとに届くと想像するだけで感激してしまいます。

 今回の著作『だれかを好きになったら』は、多くの方からリクエストをいただいた恋愛がテーマです。人はなぜ恋をするのでしょうか? だれかを好きになると、心の奥では何が起きるのでしょうか? どうしたら心から人を愛せるのでしょうか? そうした問いかけに応えました。

 本との出会いは、書き手との出会いのようなものだと思いますが、ここで私の恋愛観をひとつ。私は、「恋」をして「愛」を育てるプロセスが「恋愛」だと思っています。
"ときめき"は、恋に限らずとも、人間にとっては最高の快感であり喜びですよね。でも、残念なことに一過性のものなんです。だから価値があるのかもしれない。そう割り切って、ときめきという情熱に執着しないで、いかにしてそれを足がかりに先へ進むかを考える必要があるでしょう。

 それが、恋愛期間です。ここで自分の中に本当の「愛」を育てられないと、情熱が色あせると同時にその恋は終局に向かってしまいます。もし、ときめいた勢いで結婚したなら、『初めはこうじゃなかったのに』という不満がつのっていくでしょう。
「恋愛」から「恋」が消えても、そこに「愛」が残れば最高の安らぎが得られます。そして、それこそが永久に続く至福の関係です。きっと、誰もがそんな恋愛や結婚生活を望んでいるはず。

 あなたをそこに至らせるうってつけの学習相手が、恋人であり伴侶でもあるんですね。なせなら、互いのエゴがもろにぶつかり合うから。それでいて、なんとかうまくやりたいと懸命になる相手だからです。

 恋愛相手は、あくまでも自分の鏡です。したがって、どれだけエゴを越えて普遍の愛を築けるかは、あなた自身の問題なのです。なぜなら、「相手がこうしてくれたら愛せる」という愛はないから。普遍の愛とは、無条件の愛だから。

 私たちは、自分自身にできないことは人に対してもできません。ということは、自分に対して、自己中ではない純粋な愛をつちかうことができれば、それは同時に人にも与えられます。

 無条件の愛は、どこか遠くにあるものでも難しいものでもありません。あなたの中に眠っています。眠らせている"眠り薬"の正体は、あなたの中にある恐怖、それがエゴという姿になって、本当に愛することや愛されることを邪魔しているんです。

 さあ、あなたはいつ目覚めますか? その"とき"を決めるのは、あなた自身。もし、私の本がそのきっかけになれば、たいへん嬉しく思います。

*新刊については、7月5日に「お知らせコーナー」でご案内します。 






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