「生きてて何の意味があるのか?」私も何度、自分にそう問いかけたことでしょう。
今ふり返れば、それはいつも成長の節目″に起こりました。それまで着ていた洋服が窮屈になって取り替えるように、自分にとって役に立たなくなった価値観を自分の納得できるものに置き換える作業をする時期だったのです。
最初にそう思ったのは、あなたと同じ10代のときでした。そのころは親が敷いたレールを歩きながら、「自分の求めているものはなんか違う…でも、具体的にどうしたらいいかわからない」と感じていました。
次は20代のとき。仕事も恋愛も、このままいってほしいとかなりがんばったのに、たびたび壁にぶつかって、あちこちで挫折感を味わいました。
30代は、海外生活も経験して自信が持てるようになり、ごう慢になっていたころだと思います。それで、なにもかも失って徹底的に打ちのめされる体験をしました。
「私の人生、こんなはずじゃなかった…」という苦い思いを何度もかみしめて、40代でようやく「生きてて何の意味があるのか?」という問いの答えを得たのです。
それまでの私は、自分の価値を人に証明してもらおうとあえいでいました。でも、それは間違いでした。自分の価値や生きる意味を決めるのは、他人ではなく自分自身。その先にしか本当の幸せはないと確信しました。
そのとき、過去に味わった絶望と復活の数々は、どれも無駄ではなかったと納得できたのです。それから私は、「生まれてきた理由」をテーマにして本を書くようになりました。
私たちが人生で悩み続けるのは得をするため″ではありません。成長するため″です。成長は心の痛みをともなうけれど、それは感動と感謝と幸福と自信を手にするチャンス。それがわかれば、きっと悩む自分を笑って受け入れられるようになると思います。
あなたが「生きてて何の意味があるのか」と思うのは、「生きてても感動がない」「生きててもおもしろくない」と感じているからだと思います。それゆえに自殺願望を抱く若者もいますが、これだけは知っておいてください。
今あなたが感じていることは、「この先に未知の感動や、もっと楽しいことが待ってるよ」というサインなのです。
あなたは誕生してからずっと親に守られて、「あなたの人生」という山を登ってきました。山は登れば登るほどすばらしい景色が開けてきますが、下にいるときは上の景色がわかりませんよね。
人生もそれと同じです。大切なことは、今見えてる景色を楽しむ気持ちを忘れないことです。だって、それはそのときしか体験できないことなのだから。
ここで、大人に押し付けられた価値観とこれまでの自分像を見直して、新たに「自分が美しいと信じる生き方」を自分にさせてあげたらいいと思います。
あなたの感性を美しい″と心がふるえるものを探すことに向けてみましょう。それを見つけて、具体的に極めていく人生″を想像してみるんです。着々とその準備をして、今できることから実行してください。
人生は、愚痴をこぼさないでケナゲに進んでいけば、必ず開かれます。あなたの知りたい答えは、「すばらしい生きがい」にめぐり会ったときにわかりますから楽しみにね。