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Vol.9 対人恐怖症

From ローズヒップさん

人に対して「NO!」と言えないのです。「嫌だ」と思っても「嫌われたら嫌だ」とか「仲間はずれになったら嫌だ」と考えて、つい「いいよ」と返事をしてしまい、人にいい顔して意見を言えない自分に自己嫌悪を感じます。子供を連れて公園へ出かけても「私の事、どう思ってるんだろう」とか「嫌われたくない」とアレコレ考えて、他のお母さんたちに溶け込む事ができず、そのうち「できれば関わりたくない」と思うようになり、人のいない時間を見計らって公園に行くようになりました。「人と関わる=気疲れする」という固定概念にとらわれている自分に最近気づいて、「これではいけない、自分を変えなきゃ」と思っていた矢先に百合子先生の本に出会い感謝しています。どうしたら、人と楽に楽しく付き合える自分に変わっていけるでしょうか?
カウンセリングメッセージ

 あなたのような悩みを持っている人は大勢います。私もかつてはそういう傾向があって「人と関わる=気疲れする」とずっと感じていました。でも、それは「人間が好き。どうしたら自然に付き合えるだろう」という悩みに他なりませんでした。

 あなたは「これではいけない、自分を変えなきゃ」と気づいたのだからだいじょうぶ。ただし、他人と「できれば関わりたくない」と思っている自分に、「むりやり関わるべき」と強いてもうまくいきません。そんなことをしたら、本当に対人恐怖症になってしまいます。

 そうじゃなくて、今の自分が抵抗なく受け入れられる方法で、少しずつ過去の自分から脱皮していきましょう。それには、あなたの中の「NOをいうと嫌われる」というとらわれ″をとり除く必要があります。自分への思い込みが変われば、同時に人に対する思い込みも変わります。

 具体的に見ていきましょう。人にNOがいえないのは、「人の意見にYESといわない自分は好かれない」と思っているから。それじゃ、もしあなたがなにか提案したり自分の意見をいったとして、NOをいう人はすべて嫌いになりますか?違いますよね。

 問題は「言い方」であって、「YESじゃないこと=NO」ではないはずです。

 大前提として、他人は『自分と違う意見や反応をおもしろがる』ということを知っておいてください。ただし、『自分そのものを否定されるのは、誰もがもっとも嫌う』ということも合わせて。

 ようするに、NOをいう際にはポイントがあって、それが『あくまでもその提案が不都合なだけで、あなたの気持ちを否定しているのではありませんよ』という配慮なのです。

 例えば、「今からお茶にいかない?」と誘われて、「なに考えてるの。こんな時間からじゃムリに決まってるじゃない」といえば相手を不愉快にしますが、「残念!今からじゃムリだけど、また今度誘ってね」といったらどうでしょうか。

 私は、口はYESでも、心はNO″という人のほうが、真実じゃないだけに信用できない気がします。言い換えれば、そういう自分だったから、どうしても自分を認められなくて好きになれなかったのです。

 これからあなたが人と接するときは、「私のことをどう思ってるんだろう」と気をまわすのはやめて、「私はどうやって自分を出そうか」と考えてみてください。発想としては「嫌われないための自分」じゃなくて、「どういう自分なら、自分も友だちでいたいか」です。

 いつも正直で、素直で、もの言いに思いやりのあるあなたならば、NOをいってもなんら問題にはなりません。逆に「やさしい人」に映るでしょう。

 そういう自分のほうが誰に対しても等身大でいられて楽だし、今度は人にNOといわれても以前ほど気にならなくなって、相手の自由意志をすんなり認められるようになります。結果として、人間関係に疲れなくなるんですね。

 人間関係はお互いさまです。あなたが等身大でいたら、まわりの人たちもこれまでよりもっと楽に楽しくあなたと付き合えるんですよ。

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Last Updated: 2005/09/17

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