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Vol.7 自分ってナニモノ?

From ひまわりさん

ずっと自分の存在について考えていますが答えが出ず、いろいろな本も読みました。頭ではなんとなくわかっているつもりでしたが、特にこの数ヶ月は、混乱して苦しくてどうにもなりません。あるがままの自分を愛するということの難しさを痛感しています。プライドが高く、劣等感が強く、罪悪感にさいなまれることが多く、大人として分別ある行動もできない自分が情けなくて…。ポジティブに生きようと思うのですが、今までの自分をどうしても許せなくて、子供に対してもこういう母であることが申し訳ないと考えてしまいます。そのくせ、どこかで悲劇のヒロインを演じたい自分がいるのではないかと思ったり、とにかく自分を見つめれば見つめるほど、自分が嫌いになっていくのです。どうしたら、この状態から抜け出せるでしょうか。
カウンセリングメッセージ

 私たちは、いろんなことを考えれば考えるほど、すべてを理攻めで解決したくなるものです。そして、考えることで解決がつくのではないかと錯覚してしまうんですね。

 けれど、どんなに頭で納得しても、心で納得できなければいつまでも苦しみます。それが人間で、またそれが今のあなたの状態ではないかと思います。

 自分を分析して自分について考えるものの、「自分を知ってる」とはいい切れません。では、「自分を知る」とはどういうことをいうのでしょうか。

 それは「どう感じる自分がいるか」を知っていて「受け入れている」ことをいいます。決して「自分がそう感じる理由」を分析して非難することではありません。

 実際に、あなたの心は「自己分析や自己評価」を求めてはいませんよ。「生まれも育ちも、これまでの人生も、すべてを引き受けて自分を愛してみてよ!」と訴えています。

 理想を語る一方で頭でっかちになると、「こんな私では、愛されるに値しない」と勝手に決めつけ、「ポジティブに生きるには…」とさらに考えをめぐらせます。

 そうやって自分を追いつめたあげく、「自分のことを嫌っていっさい認めない自分」になって大きな悲しみに打ちひしがれるのです。

 理想は、あくまでも「目標」として掲げれいいんですね。今ここには、こうして苦しんでいるあなたしかいません。あなたはそれ以上でも以下でもありません。前に進もうと必死だから、こんなに悩み苦しんでいる。そんな自分をいじらしいと思いませんか?

 私たちは人生で挫折をかみしめるたびに、なんとかしてその状態から抜け出そうとあがき、最後に愛を放ちます。自分への愛しか、そこから抜け出るすべがないことに気づくからです。

 愛とは、あるがままの自分を受け入れて慈しむ心。それを目覚めさせるために、人は幾度となくつらい体験を味わうのではないかと思います。

 思慮分別が、あなたをおとなにするわけじゃなくて、自分が放つ愛の深さが、あなたを本当の意味でおとなにするのです。これからはいっさいの「〜でなくちゃならない」から自分を解放してあげましょう。

 自分を認めるのに条件をつけないで、赤子を愛するように自分を抱きしめ、心で感じるままを、ただじっと味わってみてください。それが悲しみでも、喜びでも、あるいは怒りでも。

 ここでは「感じ切ること」に意味があります。感じ切れば、そこで息づいている自分を受けとめられるから。そのあとで、ひたすら幸せを感じるものに目を向けましょう。

 あなたが今の自分も、過ぎた時間も、苦悩した体験も、いっさいを受け入れることができれば、それまでのすべての思いが「感謝してやまない心の財産」に変わるはずです。

 その財産が、確実にあなたを理想に近づけてくれるのです。今より強くポジティブなあなたが、感謝の心ですばらしい人生を築きはじめることでしょう。

 きっと、子どもに対しても世の中に対しても意識が変わると思います。なにをすれば自分が役に立つかと、ワクワクしながら考え出すかもしれませんね。

 そうなる日を楽しみに、発展途上にいる今の自分を精一杯応援してあげてください。

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Last Updated: 2005/07/17

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