もどる

Vol.2 彼が難病に・・・。

From リカさん

私には今お付き合いしている彼がいます。その彼が、潰瘍性大腸炎という難病の診断を受けました。私は看護師なのでどのような病気か知っていましたし、その怖さ、大変さも理解しているはずでした。でも実際彼が難病だという診断を受け、私には何が出来るのだろうと考えても答えのでない日々が続いています。これからの事を考えると悩みはつきません。彼に私がしてあげられる事がみえなくなってしまいました。結婚を考え動き出していた矢先の事で、このまま親の理解を得るのも難しく、彼にストレスをかけてしまっているのではないかと心配です。毎日眠れない日々が続いています。彼の前では気丈に振る舞い笑顔でいるけれど、1人になると勝手に涙が出てくるんです。気持ちの整理がつきません。どうしたらいいのでしょうか。
カウンセリングメッセージ

たいへんな人生の岐路に立っていますね。恋人や親というあなたの大切な人たちに、これから自分の意志をどう伝え、どう接していくのか、眠れないほど葛藤している様子がわかります。

心の整理をするお手伝いをしますが、人生の問題は、結論として「どれが正解か」というものはありません。常にあるのは、「自分はどう生きたいのか」ということだけなんです。

だから、いっときの感情に流されたり、周りの圧力に押されたりしないで、「自分は人生に何を求めて生きるのか、どういう自分でありたいのか」を本気になって考えましょう。

今は、彼の気持ちや両親の考えを聞く前に、自分の心の声に耳を傾けることが一番大事だと思います。自分に嘘をつかないことが、後悔しない選択をする唯一の方法だからです。

今からあなたに問いかけますが、心はいろいろな側面を持っているので、矛盾した答えが浮かんでも自分を責める必要はまったくありませんよ。また理性があなたを脅しても、無視して静かに心の奥深くに入るようにしてください。



では、彼が難病になるなんて、考えたこともなかったあなたに尋ねます。彼のどこに惹かれて、結婚したいと思いましたか?

結婚生活で、あなたが彼に何よりも求めていたものはなんだったでしょうか? 逆に、彼にぜひしてあげたいと思っていたことはなんですか?

二人は、うまくやっていける自信がありましたか? その理由はなんですか?

彼が難病と知ったとき、あなたが最初に思ったことはどんなことだったでしょうか?

彼に求めるものと、あなたがしてあげたいことが、それから変わりましたか?

あなたの幸せは、今彼の元にはないと思いますか? どこなら、それが見つかると思いますか?



難病という「相手の現実」を、「二人の現実」と思えて、「二人で幸せになること」を目標にして生きたいという気持ちになったら、自分が看護師であることに感謝してあなたの愛を貫いてください。

目の前のことを二人で乗り越えていく過程に、新たな絆と希望を見い出せることを固く信じて、心を一つにすることに全力を注ぎましょう。今こそ、二人の幸福な将来ヴィジョンをしっかりと描くときです。

もしそうではなく、難病という「相手の現実」を、自分や家族の現実として生きていくのは荷が重いと思ったら、それが今のあなたにとっては真実です。 彼に正直な気持ちを伝えましょう。立ちはだかる障害に圧倒されて混乱していること。何かしたいけれど、今は時間がほしいこと。あなたが誠実でいることが、せめてもの愛です。

そして、「自分はいったい何を失うと思い込んで、何を恐れているのか」ということを、ゆっくり考えてみましょう。

あなたもよく知っているように、病人にとっては「病気を受け入れる」ことが「生き続ける」ことです。

自分が難病と知って、絶望しない人は誰もいません。「どうして自分が?」という怒りと疑問で胸が張り裂けそうになるでしょう。

そのとき、「ひとりじゃない」ということはとても大きな救いで、恋人であり看護師であるあなたが一緒にいたら、彼は間違いなく立ち直る勇気を持てると思います。

「彼を救おう」とすることで「自分が救われる」ということに気づいてください。今はとりあえず、あなたが勇気を持つことを願っています。

ご相談入力コーナー

*)ご入力いただいた方の中から、ご相談内容とカウンセリングメッセージを掲載します。


| ホーム | | エッセイ | ボイス・レター | ねっとカウンセリング | みんなの広場 |
| Booksコーナー | 講演依頼 | お知らせコーナー | プロフィール |

Last Updated: 2005/02/17

copyright(c)1999-2004 Yuriko Usami's Internet office.