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Vol.9 誰のための人生か…

From  FAIRYさん

私は今まで、そして今もですが、何のために生きているのか、ずっと考えながらココまで来ました。「自分のために…」とは言えず、では、「誰のため?」と聞かれると、「周りや家族のために…」としか答えられないんです。幼い頃から親の言うことは絶対で、言うことを聞かないと暴力。そんな日々が続いていました。今でも親や家族には本心を話すことができず、いつも自分を封印してもう一人の私を演じています。でも、そんな日々がとても辛く、夜中に苦しくなって部屋で涙を流す日々が続いています。泣くことでしか救われず、誰にも心を開けられなくなったまま、21年間が経ってしまいました。どうすればいいでしょうか?
カウンセリングメッセージ

 これからが楽しみですね!自分で封印を解けば、これまで苦しんだ分、より大きな解放感と生きがいを得ることができますよ。

 というと、「それができないから相談したのに」とあなたは思うことでしょう。できない理由は明瞭です。自分が人生をかけてしたいことが見つからないから。いろいろ想像してみるけど、自信がなくて決められないから。行動を起こしたくても失敗が怖いから。

 だけど、そんなふうに思うのはあなただけではありません。自立するときにだれもが抱く感情で、それを越えて「自分の世界」を創りあげていくのが人生です。

 子供時代は、親を頼りにして無意識に生きているから、親のいうことは絶対的だったと思います。それに甘え守られて育ってきたんです。でも、大きくなって自分をひとりの人間として意識し始めると、限られた世界にいるのがつまらなくなって未知の世界にあこがれを抱きます。

「でも怖い。かといって、このままおさまっているのはイヤ!」あなたは、そんな葛藤を起こしているから泣けてくるのでしょう。それが21年間も続いているように書いたのは、やりきれない気持ちの表れだと思いますが、事実ではありませんよね。

 私たちは、つい親がしてくれたことを忘れて、親がしてくれなかったことばかりを主張するクセがあります。でも、それは間違っています。これまでは親の責任において育てられたんだから、親が親流の子育てをするのは当然のこと。

 だったらこれからは、自分で反省して自分の責任で自分を育てていきましょう。それが自立するということ。その結果、好きな世界にチャレンジして生きる勇気と自信を手に入れ、きびしくてもやりがいがあるから生きがいを感じるのです。

 とにかく親に対しては、「無事に大きくしてくれてありがとう」というところから始めましょう。これから自立しようというときに、親を責める感情を手放さない限り、あなたは自分のするべきことに全力を注げなくなります。

 まずは自立に必要な心構えから。『これからは、自分の欲求不満や自分がふがいないことを、ぜったいに親や家族のせいにしない』と決意してください。親や家族のせいにすることを自分に許していると、自分がしないときの言い訳に引っぱり出すから。

 次に、「自分のために生きること」について真剣に考えてください。自分に何をさせたいのか、将来どんなふうに自分の能力を使いたいのか、そのために何を始めればいいのか…。

 人生設計は「カーナビ」の操作と似ています。あなたの「目的(地)」をインプットしたら、目的を達成するために必要なことを「立ち寄り」に入れて、順に実行します。例えば、最初に資格が必要なのか、次がひとり暮らしなのか留学なのか…そうしたことを決めていくのはあなたで、それを親に説得するのもあなたで、その責任を負うのもあなたです。

 第一段階を通過すれば、親はあなたの態度を見てきっと応援してくれるようになるでしょう。あきらめないで自分の人生を切開いていく姿勢が「自立した姿」なのです。

 その覚悟ができないうちは、自分を悲劇のヒロインにしたてて空しくときを送るばかり。悔いのない人生にするためには、失敗を恐れないことですよ。人生に失敗なんてありませんから。あるのは「学びに必要な体験」だけです。

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Last Updated: 2004/09/17

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